お客様から頭痛の鎮痛剤の質問を受け、成分の処方内容によって得意分野が違うことや、早く溶けても早く効くとは限らないといったお話をして、『イブA錠EX』をお買い上げいただいた。
お客様はズキズキするタイプの頭痛というから、胃の不具合とも関係することを説明し、食事に注意をするよう伝えた。
ズキズキタイプの頭痛には体内に存在する『セロトニン』という物質が関係しており、増加すると脳の周辺の血管を収縮し、その後に血管が拡張した時に一気に血液が流れることにより、血管の内部が血液でこすられ炎症する。
そして『セロトニン』は、胃腸管の粘膜で約90%が生合成されており、過剰に作られると下痢をして、少なすぎると便秘を起こすのだが、その生成量は感情に左右されるためストレスの影響を受けやすい。
面白いことに、『セロトニン』は多いほうが多幸感を感じられ、しかし先に書いたように感情によって増減するので、「卵が先か鶏が先か」という関係でもある。
ただ、そこからすると気分が落ち込んだ時に、無理してでも笑顔を作ってみたり、愉しい気分になれる漫画や音楽といった作品に触れたりすることにより、気持ちを上昇させることも可能と考えられる。
でも、これまた先にも書いたように多いと偏頭痛の原因にもなってしまう。
また、『セロトニン』が大量に分泌されても受容体の側が取り込まなければ効果は現れず、それによってバランスを調整しているから、人間の体の仕組みというのは、かくも複雑なんである。
痛みを我慢して体力を消耗したリ、生活に支障が出たりするのは困るから鎮痛剤を使うのは悪いことでは無いが、鎮痛剤だけに頼っている単純な対処も良くないので、店頭でも他の医療機関でも相談するようにしてもらいたい。
お客様が『バファリンA』を購入されたさいにヒアリングすると、ズキズキするタイプの頭痛というため、胃を悪くすると起きる症状であることを説明し、食事に注意するを伝えると「うどんにします」とのお返事だったので、「それで良いでしょう」と答えた。
子供を連れたお客様がサプリメントの『ヘム鉄』をレジに持ってきたので、鉄剤に比べて胃への負担は少ないものの、病院を受診したことがあるか尋ねると行ったことが無く、主訴は回転性の目眩(めまい)というため、血液の問題より水分代謝が関係する可能性をお話して、『苓桂朮甘湯』を紹介した。
鉄不足が考えられるのは落ちるような目眩だが、それとて検査しなければ分からず血流の関係の可能性もあり、その場合には『人参養栄湯』を使う。
また、雲の上を歩くようなフワフワするする目眩には血圧が関係する可能性が高いので、『釣藤散』や『七物降下湯』が候補となる。
近くの漢方に詳しい病院を紹介すると、今回は購入は取りやめとなった。