高齢のお客様から『バファリンA』を求められたけれど、病院から血圧や糖尿の薬が処方されていて、お薬手帳を持参していないため、担当医か調剤してもらってる薬剤師に相談するよう勧めた。
しかし何かが欲しいと言うので、詳しくお話を聞いてみると、主訴は頭痛というよりも頭重感であるようなので、『釣藤散』を紹介したところ、今回は薬の購入は取りやめとなった。
医師か薬剤師に相談する気になってくれたのか、それとも案内したのが漢方薬なのを嫌ったのか。
ところが、お客様は薬そのものが嫌だと言う。
それならばどうして『バファリンA』を指名したのかが分からないし、飲み薬よりも注射の方が良いというお話をされ、ますますよく分からない。
お客様には、お薬手帳の重要性をお話した。
病院に行くときにしか持ち出さないという患者さんが多いが、普段から持ち歩いた方が良い。
出先で事故に遭い気を失っている場合に、駆けつけた救急隊員や治療する医師の手がかりになるし、当然のことながら早く分かれば早く処置でき、処置の早さは救命率に直結する。
たいした病気になったことが無いからと、お薬手帳を作っていないという人もいるけれど、それならなおさらお薬手帳を作っておいた方が良い。
何故ならプロが見れば、重大な基礎疾患が無いことが分かるからだ。
一方、基礎疾患を持っている人は、災害時に出先から家に帰れずそのまま避難した場合、お薬手帳があれば特例として医師の診察を受けずに薬を受け取ることができるし、避難所への救援物資に常用している薬を依頼することもできる。
お薬手帳は、命綱でもあるのだ。
若い夫婦のお客様が来店し、風邪薬の棚を見ているさいに、奥さんがずっとカラ咳をしていたので、「いらっしゃいませ」と近くを何度か往復していたところ、ようやく相談していただけた。
発熱して病院で抗生剤などを処方されたようだが、お薬手帳が無くて詳細は分からなかった。
処方された薬によっては、その副作用で体内が乾燥し、カラ咳や便秘を起こしていることも考えられるから、処方されている薬は把握したいところ。
また、市販薬が処方された薬の邪魔をしてしまう可能性があるから、なにはなくともお薬手帳の確認は重要なんである。
お客様に上半身を潤して咳を止める『麦門冬湯』を紹介したけれど、「一時的にすぐ止まるものを」との注文を受け、『ベンザブロックせき止め錠』を案内して、お買い上げいただいた。
ううん、怖いもの知らずな注文で困る。
せめて、『ストナ去痰カプセル』に誘導したかった。
ところがさらに喉飴も希望され、抗炎症剤の『パブロントローチAZ』を紹介しすると、一緒に購入された。
しまったーーーーーーー(;´Д`)!!
だったら、リスクの高い『ベンザブロックせき止め錠』を案内せずに、比較的安全な『パブロントローチAZ』だけを推す選択もできたのに……。
お客様には、カラ咳は内臓の熱、特に胃炎が関係する可能性をお話して、冷たい物を飲食すると体が抵抗しようと炎症を強めてしまうから、温かくて消化しやすい物を選ぶよう勧めた。