お客様が『パブロンSα』の大容量をレジに持ってきたさいに、鼻炎と息苦しい咳向けであることを伝えると、常備薬にするというお話だった。
総合風邪薬の中では比較的身体に優しい処方構成なので、常備薬にするのにはうってつけであるものの、起きている症状から外れてる時には続けても無駄なので、小容量にしてはどうかと提案したところ変更となった。
他に胃薬の棚を訊かれて案内したところ、『大正漢方胃腸薬』も購入され、ほとんどの風邪薬とも併用できる良い選択ですと伝えた。
代表的な胃腸薬の『太田胃散』や『キャベジンコーワα』などは、総合風邪薬とぶつかってしまう成分が多いので注意が必要。
やや高齢のお客様が『コルゲンコーワトローチ』を購入されるさいに消毒系であることを伝えると、高齢の母親は薬剤師で、気休めなのは分かっているとのことだった。
とはいえ、そういう話がどこまで本当なのかも分からないので、念のため1日5回までと伝えた。
こう言ってはなんだか人間は歳を取ると認知機能が衰えて、トローチなどを飴のようにポリポリと繰り返し食べてしまうという事もありえるから、同居している人は注意して見守ってほしい。
以前には『浅田飴』を「食べすぎて」気持ち悪くなったなんて話を、患者さんから聞かされた事がある。
おそらくは、去痰成分として入っているトコンの仕業で、漢字では「吐根」と書く。
煙草などを誤飲したさいの応急処置として、吐かせるために使う薬なのだから、咳止めとしての用量を越えて飲んではいけない。
『コルゲンコーワトローチ』も、炎症を抑えるグリチルリチン酸ニカリウムが過剰摂取に注意な成分なので、やはり注意が必要だ。
副作用として偽アルドステロン症を発症する可能性があるとされ、この症状が起きると血圧の上昇を招き、無気力になったり、階段を登ろうとして上げた足が思ったよりも上がらずに蹴躓(けつまず)いたりする。