似た名前の薬が多くて困りますよねー

 レジに来た小さな子供から「アンパンマンのバッジください」と頼まれ何かと思ったら、虫刺されの『ムヒパッチA』のことだった。
 後から母親がいらして、痒み止めとしては弱いことをお話し、炎症が強い場合にと『マキロンパッチエース』を案内したところ、両方を購入された。
 以前にポケモンの絵柄のを使っていた事があるというので、当時は『マキロンパッチエース』と同じ強さの薬だったのをお話した。
 当時はというのは、最近発売されたポケモンのパッチタイプは『ムヒパッチA』と同じ処方になっていたから。
 おそらく、子供が欲しがるデザインなのに薬が強めなのはマズイと判断して変更したのだろう。
 お客様には、同じ薬の形でも処方が違ったり、同じ薬の名前でも剤形が変わると中身も変わることがあるので、「立ってる者は親でも使え」という言葉があるように、立ってる店員は使って下さいと伝えた。

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 やや高齢のお客様から『ムヒソフト』と注文されて『ムヒソフトGX』を差し出すと、「容器が違う」とのことで他の物を探してみると、『ムヒSクリーム』のことだった。
 ヽ(・ω・)/ズコー
 ご主人からの頼まれ物だそうで、『ムヒソフトGX』も虫刺されに使っても大丈夫とは伝えた。
 まぁ、今回は不要でしょうが。
 ただ、『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』とでは中身が違うので、その区別がついてるのかは心配なところ。
 両者を単純に、クリームと液体という剤形の違いだけと思っている人は多いけれど、リスク区分でいえば『ムヒSクリーム』は第3類医薬品で、『液体ムヒS』の方は第2類医薬品を飛ばして指定第2類医薬品。
 痒み止めの基本成分は変わらないけれど、液体の方には炎症を抑える力が強めのステロイド剤が入っている。
 そして、痒みというのは痛みを感じる神経が弱い痛みを痒みとして認識しており、炎症はまた別な現象なのだ。
 つまり、起きてる症状が痒みだけか弱い炎症なら『ムヒSクリーム』で充分だけれど、炎症が強い場合には対抗できるステロイド剤が入っていた方が効果的。
 特に虫刺されのような急性症状には、弱い薬をダラダラと長く使うより強い薬でビシッと短期間で治した方が、その後の皮膚の再生のためにも良い。

ムヒSクリーム

 お客様が『セイロガン糖衣A錠』と『ポケムヒ』をレジに持ってきたさいに、前者を『正露丸』と、後者を『プチウナ』と比較して違いを説明したところ、後者が変更となった。
 痒み止めの基本成分は同じなれど、これまたリスク区分では『ポケムヒ』が第3類医薬品で、『プチウナ』の方は一つ上の第2類医薬品。
 『プチウナ』には弱い局所麻酔成分が入っており、その分だけ痒みを感じにくくなると考えられる。
 携帯用に小さい物を選ぶということは屋外に行くのだろうから、より痒みを抑えられる方を選んだ方が良いだろう。
 ちなみに、繰り返しリスク区分と書いているように、あくまで懸念される副作用での区分なので、上位の薬のほうが強いとか良く効くという話ではないので、お気をつけ下さい。
 あと、『セイロガン糖衣A錠』については『正露丸』から抗炎症成分と鎮痙攣成分を抜いてあって、腸には味覚と嗅覚があるため、あの独特の匂いも効果のうちであることを説明した。
 正直なところ、どの程度使用感に違いがあるかは分からないのだが、糖衣錠の方はシクシクとした腹痛を伴う場合の効果が弱いと考えられる。
 それから、大幸薬品の『正露丸』と他社とでは内容が異なることがあり、大幸薬品のには入っていない下痢止めのロートエキスが入っている製品があるので、注意してもらいたい。
 一つは同じ下痢でも食中りの場合には、害を及ぼしている悪いモノを早く排泄した方が良いので、ロートエキスは余計な成分となる。
 また、ロートエキスは身体機能を落とすことによって下痢を止めたり、胃薬では胃酸の出過ぎを抑える効果を狙った物で、大幸薬品の方の注意書きには無い緑内障に関する確認事項が記載されている。
 大幸薬品の『正露丸』と、ロートエキスの入ってるタイプとでは用途と注意事項が少し違うんである。
 今回のお客様は旅行に持っていくそうで、相談して頂ければ『柴胡桂枝湯』も紹介したかったところ。
 先にも書いたように、『セイロガン糖衣A錠』からは抗炎症成分が抜いてあるので、出先で胃腸炎になった場合には『柴胡桂枝湯』があると心強い。

プチウナ

 お客様が『ムヒアルファEXクリーム』を購入され、虫除けは使っていないというため、虫刺されで怖いのは痒みではなく感染症などなので、使うよう勧めた。
 また、虫除けのスプレーは吹き付けるより掌に出して体に塗るようにと伝えた。
 薬剤を吸い込まないようにと息を止め、体から離そうと手伸ばして身体に吹き付けても、服の表面に纏わりつく程度になつてしまうケースが多いからだ。
 吸い込むのが心配であれば、袖口や首周りなどに塗ってしまった方が確実で安全である。

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