お客様が『アセムヒEX』を手にしてから『テラコートリル軟膏』や『テラマイシン軟膏』と『フルコートf』などを次々と見ていたので案内を申し出たところ、首がかぶれて痒みが強く掻いてしまい、汗をかくとなるとのお話だった。
他に『ヒビケア軟膏』や『ピアソンHP』にも興味をもたれたので、汗かぶれの仕組みと、それぞれの処方の違いを説明し今回は『アセムヒEX』をお使いいただくことになった。
汗かぶれは汗疹(あせも)と違い、自身の発した汗に含まれる塩分などに反応して皮膚が炎症してしまう。
人間の体は二段階で汗をかき、運動などをして最初に出る汗は塩分濃度が濃く、その後は濃度が薄くなる。
だから、暑い日などでも最初に出た汗は、なるべく早く拭き取ったほうが良くて、『アセムヒEX』には汗が皮膚に再吸収されるのを防ぐ成分が入っている。
一方、汗疹の方は汗を出す汗腺が目詰まりを起こし、そこが炎症して起こる。
よく、入浴後にかく汗が汗疹の原因だと勘違いして、汗をかくのが良くないからと入浴せずにシャワーで済ませる人がいるけれど、対処法としてはまったくの逆。
入浴した方が皮膚がゆるみ汗腺を開いて目詰まりを解消することができるし、入浴中に最初の汗をかいてしまえば風呂上がりの後の汗は塩分濃度が薄くなるから、汗かぶれも防ぐことができる。
お客様は入浴はしているそうだが、冷たい物を好んで飲んでいるというので、一緒に温かい物を摂るか、上半身は薄着をしてもお腹周りは保温するよう勧めた。
というのも、人間の体が炎症するのは温めることにより血流を良くして老廃物を回収したり栄養を行き渡らせたりし、ウイルスなどとの外敵と戦うという目的があるから。
なのに体を冷やしてしまうと、特に内臓が冷えると「もっと炎症させなきゃ!」と変に頑張って炎症を強めてしまうのだ。
そして、体温のセンサーの役目をしているのが腸なので、お腹を温めると体の方も「無理して炎症しなくても大丈夫」と認識して、少しは炎症を弱めることができる。
若いカップルのお客様から『クロマイN軟膏』を求められたけれど、女性は腕ニキビに悩んでいるそうで、「ネットで見たと」いうため『クロマイN軟膏』だとステロイド剤と抗真菌薬が入っているため、リスクを説明し『ニノキュア』も紹介したうえで、まずは専門家の意見を聞いた方が良いとお話して受診勧奨した。
よくステロイド剤がニキビに効くと紹介されていることがあるけれど、それは炎症を抑えるのが強いという一面だけの話で、免疫機能を落としたうえ、細胞の再生を阻害する副作用のことに触れていない。
しかも、『クロマイN軟膏』だと抗真菌薬も入っていて、これは刺激物でもあるから、なおさら皮膚の再生を邪魔してしまう。
ニキビの場合には殺菌成分でアクネ菌の活動を抑えつつ、皮膚の表面を柔らかくしたり、わざと腐らせたりして、下から新しい皮膚ができてくるのを促すのが最善なんである。
そして、それには長い期間が必要なので、まずは専門家の目で患部の状態を確かめてもらい、薬を処方してもらうか市販薬でも対処可能なのかを判断してもらつた方が良い。
すると、お客様は一旦お帰りになったけれど3時間ほどしてから戻ってきて、やっぱり『クロマイN』軟膏を購入された。
お客様には、ネットでの情報は個人の体験にしかすぎないので経過を観察して、病院に行くことも頭の隅に置いておいていただくようお願いした。
高齢のお客様から足を攣ったと相談を受け、塗り薬を希望されたので内服してる薬があるか尋ねると、疑問に思われたので、成分によっては血液中にも入っていく物もあることを説明した。
そしてフェルビナク製剤のプライベートブランドの製品を案内すると「聞いたことがない」と言われたけれど、中身を作っているのは大手の製薬メーカーであることを説明したところローションタイプをお買い上げいただいた。
反対に小さい製薬メーカーの作った薬を、大手製薬メーカーが販売しているケースだってある。
いずれにせよ、薬を作るためには一定の基準をクリアしなければならないのだから、あまりメーカー名やブランド名にこだわる必要は無い。
そして足が攣るのを予防するために、お客様にはこまめな水分補給を勧めた。
こまめと言っても、どのくらいの頻度でどのくらいの量か分からないだろうから、具体的に一回10ミリリットル程度を30分から1時間ごとにとお話をした。
足を攣る理由としては、水分不足や疲労が考えられる。
喉が渇いたときだけ水分を摂っても、腸が一回に抜け止められる水の量が決まっているため、吸収されずに外に出されてしまう。
そこで、喉の乾きとは関係無く小分けにして摂取すれば、一回一回を確実に吸収して、身体に水分を行き渡らせることができる。
ただ気をつけたいのは、心臓が原因という事もあるので、繰り返すようであれば病院を受診した方が良い。
脹脛(ふくらはぎ)は「第二の心臓」とも呼ばれていて、下半身に降りた血液を心臓に戻すポンプの役割も負っているのだが、そこに過度の負荷がかかるということは、心臓自身の機能が落ちている可能性がある。
お客様から口唇ヘルペスの相談を受け、薬剤師のいないうちのお店には対応する薬を置いていないため、近所のドラッグストアに問い合わせてみたけれど既に薬剤師は帰った後だったので、別のドラッグストアにも問い合わせたところ今日は遅くまでいると分かり、お客様に案内した。
私は覚えてなかったのだけれど、以前に虫刺されの薬を案内した件でお礼を言われた。
ただ、私のことを薬剤師と勘違いしていた模様。
すいません(^_^;)