膝関節に必要な「コンドロイチン」のお話

 やや高齢のお客様から、小林製薬の『グルコサミン』とファンケルの『楽のび』(プロテオグリカン・Ⅱ型コラーゲン)の違いを質問され、以前は膝の痛みにまた別な物を使っていたというため、医薬品の『コンドロイチンZS』も紹介した。

 関節では、骨と骨がぶつからないよう骨の頭に軟骨があって、それがクッションとなっており、その周囲に関節液(滑液)が存在する。

 軟骨の65~80%が水分で、有名な「コラーゲン」の他に「プロテオグリカン」と、「グルコサミン」も成分の一部。

 そして「プロテオグリカン」を形成しているのが、「コンドロイチン硫酸」と「ヒアルロン酸」なのだ。

 これで分かると思うけれど、コラーゲンやヒアルロン酸を摂っても、都合良く皮膚にはならない。

 むしろ、栄養は体の重要な部分に優先的に使われると考えられるので、関節の軟骨になる可能性が高いし、そもそも皮膚におけるコラーゲンの仕組みは軟骨とは違うため、やはり経口摂取で皮膚になるかは分からない。

 その軟骨に必要なのは保水力なのだが、接している関節液との間で水分の出し入れが行なわれることも重要。

 何故なら軟骨には血管が走っていないため、栄養は関節液を介して軟骨に行き渡るからだ。

 なので、膝が痛くて歩く頻度が減ると関節の軟骨に栄養が行き渡らず、ますます軟骨の栄養が不足して減っていき歩行機能が低下してしまう。

 だから、歩くのが辛くても座ったままでも構わないから、ゆっくりと膝を動かす運動は毎日でも行なった方が良い。

 さて、最初の話に戻って何を摂取するのが望ましいかというと、体の中での物質の変化を知っておく必要があるだろう。

 実はグルコサミンがコンドロイチンに変化して、コンドロイチンは活性硫酸合成酵素と反応して「コンドロイチン硫酸ナトリウム」となる。

 つまり、プロテオグリカンを形成しているのはコンドロイチンではなくコンドロイチン硫酸ナトリウムであり、グルコサミンや単なるコンドロイチンよりは、コンドロイチン硫酸ナトリウムを主成分としている『コンドロイチンZS』の方が、間の変化を省くことができると考えられる。

 しかしここが難しいところで、どんな栄養も経口摂取した物はいったん全て分解されて、体内で代謝することにより再合成されるので、コラーゲンを食べても皮膚にはならないように、摂った栄養がそのまま体で使われる訳ではない。

 ただ現在のところ、治験データでも効果が認められているのはコンドロイチン硫酸ナトリウムだけなので、お金をかけるのならば健康食品よりは『コンドロイチンZS』の方が良いだろう。

 ただし、コンドロイチン硫酸ナトリウムで対応できる関節の痛みは、立ち上がるときや歩き始めなどの初期の痛みなので、階段の上り下りがつらいくらいに進行していると病院の受診を優先してもらいたい。

 また、膝の痛みが軟骨が原因とは限らず神経が何かに触っているとか、あるいは局所的な栄養不足を痛みで知らせている可能性もあるので、先に専門家の意見を聞くために病院を受診してみるというのも選択の一つ。

 今日のところは、お客様は相談のみでお帰りになった。

 やや高齢のお客様からDHCの『コンドロイチン』を求められたけれど、置いていないことを伝えて『コンドロイチンZS』を提案してみたけれど、詳しいお話ができないまま、お帰りになった。

 お客様から降圧剤を求められ、市販薬には無いことを伝えたうえで、病院から処方されてる薬があるのか尋ねると、説明書は捨ててしまい分からないとのことだった。

 漢方薬に『釣藤散』『七物降下湯』といった候補があることを紹介し、病院で処方される薬でもあることを伝えた。

 また、お薬手帳の重要性をお話したけれど、あまり通じた感じがしなかった。

 市販薬を買うさいにも安全性を確保するために『お薬手帳』は必要だし、出先で事故に遭った場合の処置の早さに関わってくるうえ、大規模災害で避難生活を送るさいにお薬手帳があれば医師の診察を受けなくても薬を貰えるのだけれど。

 そして、お客様は「やっぱり知り合いの看護師に聞いてみる」と、お帰りになった。

 うーむ、何だったのだろうか。

「おくすり手帳と個人情報の使い方」

 常連のお客様から鉄のサプリメントを求められたのでヒアリングすると、検診で引っかかったとのことだが、以前に心臓を患っているため担当医に相談してから使った方が良いとお話して、お帰りになった。

 お客様からは、「あんたに相談すると納得できるからさ」と言ってもらえた。

 病院に行こうか迷ってて、その後押しをしてもらいたかったのかな。

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