子供を連れたお客様が、販売許容期限が迫っていて値引きしている『ガストール』をレジに持ってきたけれど、適応する症状は「胸が焼ける感じがすると」とか「苦い水が上がってくる」といった胃酸過多のようなものであることを伝えたところ、二日酔いというため目的が異なることをお話した。
漢方薬から『アルピタン』(五苓散)を、現代薬から『スクラート胃腸薬』を紹介した「お勧めのヤツで」と言われたので、『アルピタン』をお使いいただくことになった。
ただ今回のお客様はヒアリングへの反応が薄くて、何を質問しても糠に釘のようだった。
こちらからの質問に何も返事をしてくれず、微妙な表情の変化から読み取らなければならないうえ、こちらにお任せなのが疲れてしまった。
それでもビール派ということが分かったので、先にお湯を飲んで胃腸の血流を良くしておくよう勧めた。
冷たいビールから行っては、寒い中でマラソンを始めるようなもの。
胃の働きを悪くしてから、飲食を始めることになってしまう。
そこで、温かい物を飲んでウォーミングアップしておくのと、肝臓がアルコールを代謝するのに大量の水が必要なため、あらかじめ摂っておくのだ。
また飲み会では、刺身のツマと揚げ物につくキャベツを食べるよう勧めたけれど、やはり反応は無し。
無視されてるというよりは、ボーッとしてるというか、やはり掴みどころが無い。
二日酔いだからだろうか。
ツマに使われることの多い大根には消化酵素となる物が含まれていて、キャベツもまた胃薬として働いてくれるから、二日酔い対策のためにもしっかり食べておいてもらいたいのだけれど。
お客様が『ストッパ下痢止めEX』を購入されるさいに、腹痛を伴う場合には『ストッパエル下痢止めEX』の方に芍薬が入っているぶんだけ向いてることを伝えると、病院で整腸剤を処方されてるというため『桂枝加芍薬湯』も紹介してみたが、どちらも興味は示されなかった。
『ストッパ下痢止めEX』を常用すると、ロートエキスが腸の動きを抑えて症状を抑える物であるため、消化が悪くなり下痢の原因ともなり得るのが心配であることを伝えた。
お客様から『ナイシトール』(防風通聖散)を求められ、同じ処方の『コッコアポEX』も紹介したところ、小容量のお試し版に手を伸ばされたので、試すのは「効くかどうか」ではなく、使ってみて「具合を悪くしないか」であることを説明した。
そして、水分代謝を改善して水太りに適応する『防已黄耆湯』と、イライラ感を伴う便秘の場合に用いる『大柴胡湯』も紹介した。
いずれにしろ体質の検討と、効果を得るには3ヶ月を越える長期間の服用が必要でもあるため、まずは病院を受診するよう勧めたところお帰りになった。
お客様が『リポビタン8』の冷やしてある物を希望されたので売り場を伝えたけれど、常温のほうが吸収が良いことお話すると驚かれた。
腸が体温より低い物を嫌がるため、胃に溜めて温めてから腸に送って効くのが遅くなるか、もしくは腸を早く通過させて吸収されないまま排泄してしまうのだ。
そのどちらになるかは、胃腸の自動判別に委ねられ自分の意志ではコントロールできない。
だから、常温で飲んでおいたほうが良い。
また、効き目を尋ねられたので費用対効果では『キューピーコーワαドリンク』のほうが高いと考えられると答えたところ、そちらを購入された。
それから、タウリン系と生薬系との使い分けを伝えた。
タウリン自体は体の中にも存在し、疲労すると消費されるから補給しようという考え方なのだけれど、経口摂取した物が体の中で同じ働きをするとは限らない。
吸収され、代謝され、再構成される仕組みは、まだまだ良く分かっておらず、効くと感じるのはカフェインによる錯覚の可能性が否定できない。
その点からすると、最後のひと頑張り、ラストスパートに使うほうが適していると考えられる。
一方、生薬系はそれこそいったん体内で分解される前提で摂る物だし、血流を良くするなど即効性のある生薬と、後から体を支えるために働いてくれる生薬とで構成されているので、まだ先が長いとか、これから何かを始めるという場合に向いていると云える。
毎日、価格が安めのタウリン系を飲むのであれば、飲む本数を減らして生薬系を選んだほうが、カフェインや糖分を減らす事になるから体にも優しいはずである。