お客様から『正露丸』を求められ、大幸薬品と他社製品では処方が異なることを説明したうえで、大幸薬品の物をお買い上げいただいた。
また、『セイロガン糖衣A錠』も『正露丸』と内容が異なることをお話しすると、「あの匂いが大事だと思っていた」というので、良い選択ですと伝えた。
お客様が『セイロガン糖衣A錠』を購入されるさいに『正露丸』との違いを説明すると興味を示されたので、腸にも味覚と嗅覚があり匂いも効能を発揮するのに必要なことをお話した。
『正露丸』の主成分である木クレオソートは、消毒成分であるとともに腸の働きを整え水分調整する効果がある。
そこへ補助として、腸の運動を調整する阿仙薬(アセンヤク)と、やはり消毒と下痢止め作用のある黄柏(オウバク)が入っており、さらに抗炎症作用の甘草(カンゾウ)と鎮痙攣と健胃作用に働く陳皮(チンピ)が加わった5つの成分から構成されているのが『正露丸』の基本処方。
ところが『セイロガン糖衣A錠』からは、後ろの甘草と陳皮を抜いているのだ。
先にも書いたように、匂いも効果のうちで糖衣錠にしたために特に匂いが重要な甘草と陳皮を抜いたのだろう。
そのため、シクシクとした痛みなどに関しては弱い可能性が考えられる。
また、大幸薬品の『正露丸』と違い他社製品には、ロートエキスを加えている物がある。
ロートエキスはハシリドコロという、苦しみのあまり走り回ると云われている毒草から抽出した成分で、内臓の機能を低下させることにより胃酸の出過ぎを抑え下痢を止める。
同じ下痢でも食中りの場合には、体内の毒素を早く外に出したほうが良いからピタリと止めてしまうのは好ましくなく、『正露丸』には殺菌効果もあるから特に食中りに向いた処方となっている。
しかし、下痢止めとしてのニーズが多いことから、他社はロートエキスを加えてピタリと下痢を止める効果を狙っているのだ。
また、旅行に持っていくのなら荷物は減らしたいだろうから、ロートエキス入りの『正露丸』を選ぶのは悪くはないが、食あたりに備えて大幸薬品の『正露丸』を用意するのとは別にロートエキスのような物の入った下痢止めを別に用意しておくという方法もある。
やや高齢のお客様から『ブスコパン』を求められ、売り場を案内したうえでヒアリングすると、仕事中に腹痛になり人から勧められたとのことだった。
痛みだけで下痢をしていなければ『コムレケア』も候補になるので紹介すると、足を攣ることもあるとのお話だったけれど、仕事中に対処したいというのと、下痢をすることもあるというため痙攣性の痛みを抑える芍薬の入った『ストッパエル下痢止めEX』も案内し、お客様の当初の希望である『ブスコパンA錠』をお買い上げいただいた。
『ブスコパンA錠』は、内臓の機能を低下させて腹痛を抑えるタイプの薬なので、服用して回復したと感じても食事は消化に良い物にするよう伝えた。
また、『正露丸』も希望され、大幸薬品と他社製品の比較を説明したところ、ご主人が使うとのことで迷われたけれど大幸薬品の物を購入された。