お客様が『キンカン』をレジに持ってきたけれど、虫刺され目的には痒み止めも抗炎症剤も入っていないことを説明し、『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』の他に『ウナクール』を案内した。
『キンカン』は灼熱感によって痒みを誤魔化しているだけなので、その効果を利用するのは虫刺されよりも血行を良くして改善する肩こりの方だろう。
そして『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』は、同じ処方の剤形違いではなく、痒み止め成分が基本として『ムヒSクリーム』はシリーズの中では『ムヒベビー』を別にすると一番弱く、その上には局所麻酔薬を加えて痒みを軽減する『ウナクール』が入り、炎症を抑えるステロイド剤を加えた『液体ムヒS』がさらに上の部類になる。
リスク区分で言えば、『ムヒSクリーム』は第3類医薬品、『ウナクール』が第2類医薬品、『液体ムヒS』が指定第2類医薬品となっている。
お客様は液剤を希望で、『ウナクール』について冬場も使いたいというため、冷感のあるメントールの量は『液体ムヒS』より少ないことを伝えると購入された。
お客様から『ムヒ・ベビー』を求められたけれど、うちのお店には置いていないために『ムヒSクリーム』も低刺激なことを説明した。
痒みや痛みを止めるのにはメントールも必要で、人間の神経は痛みよりも冷たさを先に感じるようになっている。
その理由は寒さのほうが、生命の危険となるからだ。
外用消炎剤の湿布や塗り薬などにもメントールが入ってることが多いのは、同様の理由である。
つまり、冷感があると痒みや痛みが誤魔化されるという次第。
痒いところを叩くと痺れ感で痒みが気にならなくなるのと同じで、『キンカン』が灼熱感で誤魔化しているのとも同じ構造だけれど、誤魔化すのであれば冷感の方が優れていると云える。
そして、虫刺されに汗疹(あせも)の薬を使う方法もあることをお話しすると、『ユースキンあせもジェル』が患部にしみて子供が嫌がったそうだが、おそらくメントールが濃いうえ液体だから冷感が強まったのであって、クリームなら大丈夫だったのではと思われる。
『ムヒSクリーム』をお買い上げいただき、『ヴィックスヴェポラップ』も購入されたけれど、そちらの用途についてはお話してもらえなかった。