お客様が『コンタックかぜEX』をレジに持ってきたさいにヒアリングしたところ、症状は喉の痛みだけというので鎮痛剤が家にあるか尋ねると、無いとのことだった。
咳が出ていなければ鎮痛剤で充分なことを説明し、無印の『イブ』と『バファリンルナi』を案内し、喉の痛みだけという点から『ペラックT』と『龍角散ダイレクト』ね紹介してみたら、『ペラックT』に変更となった。
喉の痛みだけで風邪と判断してしまう原因は、いったいなんなのだろうか。
あるいは、喉の痛みだけのうちに風邪薬を使えば予防になると思われているのか。
喉には呼吸をする気道と、飲食物の通る食道の2つのルートが通っており、どちらかが炎症をすると隣にも炎症が伝わる事がある。
このうち、気道がウイルスなどに害されて起こる痛みが風邪という事になる。
一方、健康な人でも1日に50回ほど胃液が逆流して食道を荒らすのだが、元気な時には修復が早くてそれと気づかぬうちに治ってしまい、修復が追いつかないと喉の痛みとして知覚する。
つまり、喉の痛みだけでは風邪なのか、逆流性食道炎あるいは食道と繋がっているから胃炎というケースも考えられ、そしてそれは区別がつきにくい。
そのうえ先にも書いた通り、気道と食道は隣り合っているいめ炎症が相互に干渉しうるし、また知覚を通っている神経は両者の区別をつけられないから、同じ喉の痛みと感じてしまう。
ここで重要なのは、どちらにしても炎症を抑えることだ。
しかし総合の風邪薬を使うと、含まれている解熱鎮痛剤は効果を発揮する物だとしても、鼻炎薬と咳止め成分は余計な物となり、肝臓の方はその余計な物を処理するために過労状態となる。
そのうえ、鼻炎薬の成分は副作用により体内を乾燥させやすく、それは喉の炎症を抑えるのには邪魔な作用だ。
さらに、咳止め成分のうち中枢神経に作用をするタイプは、体内の保水機能を低下させ、これもまた体内を乾燥させる原因となる。
つまり、喉の痛みに総合風邪薬を使ってしまっては、せっかく入っている解熱鎮痛剤が本領発揮できない。
だから喉の痛みだけならば、使う薬もまた特化した物を選んだほうが良いのだ。
余計な成分の処理に労力を割くと、それにエネルギーを奪われて本格的な風邪に進行してしまう可能性だってある。
もとより、総合風邪薬の効能書きには、ほぼ例外無く「症状の緩和」と記されていて、「改善」とも「治療」とも書いてはいない。
重要なのは、風邪にしろ、食道炎や胃炎にしろ、見分けがつかない以上、体が治ろうとするのを自分自身でサポートをすること。
そしてどちらの場合も、対処法は同じで「内臓を休める」ことである。
お客様にも、胃に優しい食事を勧めると、夕食はキムチうどんとの事だった。
ヽ(・ω・)/ズコー
身体は温めたほうが血流が良くなって老廃物の回収や補修のための材料が運ばれやすくなるし、害のあるウイルスや菌と戦うのにも有利になるとはいえ、刺激となって患部を荒らしかねない辛さは控えるよう伝えた。
幼児を連れたお客様が風邪薬の棚で迷っている様子だったから声をかけたところ、奥さんが『ベンザブロックL』を使って効なかったとの事だった。
ただ、主訴は喉の痛みと関節がザワザワするそうで、咳は無いというから、そもそも総合風邪薬を使う症状ではないと考えられる。
そして家に解熱鎮痛剤の『ナロンエースT』があると分かったため、そっちを使うよう勧めたうえで、併用できる薬として喉の痛みに『ペラックT』と『龍角散ダイレクト』案内した。
『ペラックT』をお買い上げいただき、胃に優しい食事をして入浴などで体を温めるよう勧めた。
身体の方は炎症させたり発熱したほうが治すのに有利なのだが、それが苦痛となってしまうのが困ったところ。
そのうえエネルギーを消費することになるから、入浴や厚着をしてサポートすることにより、自発的に熱を出さなくて済むよう、そして無駄なエネルギー使わないようにサポートしてあげるのだ。
ただし、司令塔となる脳を守るために「頭寒足熱」を基本とする。