高齢のお客様が『スキュータムID』を購入されるさいに、痛み止めとしては強めなことを伝えたところ、常備薬にしているとのお話だった。
打ち身や捻挫などの急性症状に向いてることを説明したうえで、それらの最初期には薬を使う前に、とにかく氷水で患部を冷やすのが重要なことを説明した。
でないと、脳に異常事態を報せるために患部の周辺に痛みの伝達物質が大量に生産され、それが後で痛みが長引く原因となる。
この痛みの伝達物質自体は重要で、身体は患部を炎症させてウイルスや菌と戦う体勢を整え、血流を送り込むことで壊れた箇所を修復する材料を運ぶとともに、老廃物をを回収する。
でも短い時間だけ伝えてくれればそれで良いのに、患部が治っていないうちに動き回るのが困るのか、継続的に痛みの伝達物質が作られてしまうので、それを防ぐために患部の周辺の身体機能を冷やして落とすのだ。
常備薬には緊急時に使える薬が適しているから、そういう意味では今回のように鎮痛効果の高い薬を選択するのは良いと考えられる。
ただ、患部の状態によっては薬の使い分けが必要なことも伝えた。
高齢のお客様から『スキュータムA』を使い続けて良いか質問を受け、弱めの薬なので続けても問題は無いと答えた。
同じ『スキュータム』というブランド名でも、成分が違うので注意してもらいたいところ。
症状についてヒアリングしてみると、寝て朝起きると腰が痛み、寝返りを多くしているとてうため、布団が合っていないか、体のどこかが悪くなってるのを無意識に庇っているのかもしれませんとお話した。
酷くなってから病院に行くよりも、専門家の意見を聞くつもりで早めに受診するよう勧めた。
お客様から発毛剤の『リアップ』を求められたけれど、薬剤師のいないうちのお店には置いていないことを伝えたうえで、効果的に使用するには年間20万円くらいの予算が必要なことと、中断すると効果も失われることを説明すると驚かれた。
実は「発毛剤」と「育毛剤」とでは区分が違い、「発毛剤」が「今は生えていない毛を生やす」のに対して、「育毛剤」は「生えている毛を維持する」のが目的。
そして、「発毛剤」は医薬品で「壮年性脱毛症の改善」だが、「育毛剤」は医薬部外品で「毛髪が健常な人」が使う物。
つまり、薄くなってきてから「育毛剤」を使うのは、そもそもお金の無駄。
一方、「発毛剤」は血液中にまで浸透するので、他の薬との影響や持病も考慮しなければならず、だから薬剤師に相談することが欠かせない。
そして『リアップ』の治験データを見せてもらったことがあるのだが、残念ながら使用を中止すると目に見えて効果を失う。
お客様に確認してみると、1日2回使わなければならないのに、価格が高いため今までは1日1回しか使っていなかったという。
それでは効果が現れず、余計にモッタイナイとお話した。
そして、先にも書いたように欠かさずに毎日使うとなると月に1~2本は必要なため、予算的にカツラやウィッグも検討してみるよう提案した。
帰っていく姿が、心なしか寂しそうだった気がする……(´;ω;`)ウッ