お客様が『ケラチナミンクリーム』をレジに持ってきた後に、奥さんが近くの別な棚で『ケラチナミン乳状液』を見つけて「こっちがいいんじゃない?」とご主人に言っていたので声をかけて、『ケラチナミン』が尿素のみなのに対して『ケラチナミン乳状液』には痒み止めと抗炎症成分が足してあることをお話すると、患者であるご主人は痒みがあるとのことで変更になった。
奥さんが『ケラチナミン乳状液』を選んだのは偶然のようだったため、市販薬は剤形が変わると処方内容が変わったり、同じ銘柄のシリーズでも中身が縁もゆかりも無いということがあるので、まず相談をしていただくよう勧めた。
高齢のお客様から足の指を固定できる物をと求められ、外反母趾と言うわれたけれど詳しくは分からず、足の指が重なるというお話で五本指の靴下でも良いかと質問されたので、まずは整形外科を受診してみるよう勧めた。
すると、近場の病院を尋ねられたのでスマホでネット検索し、2軒を案内した。
法律的には、薬局などが病院を紹介するのは違反とされているので、多分ギリギリのライン。
癒着を警戒してのことなんだろうけど、ホントはドラッグストアーが近隣の医療機関と連携できたほうが良いと思う。
お客様が『トラベロップQQ』を購入されるさいに、成分によって比較的眠くなりやすい物となりにくい物があることを伝えると驚かれ、乗り物酔い対策を教えると、また驚かれた。
知らない人からすると、興味を惹く以上にビックリさせてしまう模様。
必ず酔ってしまうのならいっそ寝てしまったほうが良いだろうし、観光などで寝てしまってはモッタイナイ場合には眠くなりにくいほうが良いだろう。
飲み方にしても、必ず酔う人は事前に飲んでおくのが効果的だし、でも依存性のある成分の物が多いから、お守り代わりに持っておいてなるべく飲まないようにするのが安全でもある。
また、酔い止め薬を求められて売り場を案内すると、すぐにその場で選ばれるけれど、自身が車の運転をするとか船で釣りをするといった場合には、判断力を落とさないために漢方薬の『苓桂朮甘湯』や『五苓散』を使うという方法もあるから、乗り物のことや目的などを教えてもらえると、提供できる情報の幅が広がる。
養生法にしてもそうで、飛行機や大型の船に乗るとなれば、これはもう薬を使ってもらった方が確実だけれど、車や電車などなら食事を工夫すると酔いにくくできる。
例えば、腸は体温より低い物を受け付けないので、軽食にしようとサンドイッチや果物などの軽食にすると、温まるまで胃に長く留めておくことになり、胃は上部に物を溜める構造となっているから、これが吐く原因となってしまう。
でも温かいスープや、温かい飲み物であれば、すみやかに腸へと送られて胃が軽くなる。
一方、乗ってからは冷たい飲み物を少しずつ口にすると良い。
できれば、氷を入れてキンキンに冷やした物が望ましい。
冷たい物を飲むと胃の働きは悪くなり、悪くなれば吐く力も弱まる。
また、コカ・コーラが入手できるのなら、カロリーゼロではない砂糖や果糖の入った物を飲むと症状を軽減できる。
糖分によって脳が楽しい気分になり、炭酸の刺激が吐き気を誤魔化してくれる。
自分で買う物を自分で選びたいという気持ちは分かるけれど、何の相談もせずに薬を買うというのは、これらの情報をお店に置き去りにする事でもあるから、私としてはモッタイナイと思うんである。
薬の販売価格には私たちの人件費が含まれており、その中にはいわば情報料もあるのだ。
女性二人組のお客様が来店し、子供のキシリトールタイプのタブレットを求められ売り場を案内したさいに、虫歯の予防には食事前の歯磨きも有効なことを教えた。
虫歯は原因となるミュータンス菌が、歯についた食べカス、特に糖質を材料に酸を作り出して歯を溶かしてしまう。
そして、糖質が口の中に長く留まっているほど虫歯になりやすいとされている。
じゃあ食後にすぐ歯を磨くのが良いかというと、食べた直後は口の中が酸性になっているため、すぐに歯を磨くと歯が柔らかくなっている状態なので歯を傷めてしまい、それはそれで良くない。
となると、ミュータンス菌と糖質が揃わない状態にするのが望ましい。
そこで有効となるのが、食事の前の歯磨きである。
それこそ雑菌が多く溜まる起床直後の歯磨きは、雑菌を飲み込まないためにも重要。
食事の前に葉を磨いてミュータンス菌を減らしておけば、食後に食べカスが残っても虫歯にはなりにくい。
食後の歯磨きは、食べカスを取り除くことに集中すれば良い。
お客様の反応は薄かったけれど、感心はされたようだ。
なんか不思議である。