高齢のお客様が、ご主人から『エスタロンモカ』を頼まれたとのことで売り場を案内し、処方としてはコーヒーで3~4杯分のカフェインとビタミンB製剤なので、他の疲労回復の成分が多く入っていて価格の安い『モリピン内服薬』を紹介すると迷われたけれど、『モリピン内服薬』の購入を決められた。
ただ、車の運転が目的でコーヒーを飲んだうえで使うというため、好ましくないことをご主人に伝えるようお願いした。
カフェインの摂りすぎはカフェイン頭痛を引き起こすし、カフェインによる興奮作用は多幸感や反対に怒りやすくなるといった感情面での抑制ができなくなる可能性もある。
それこそ某作家さんは、締切に追われて『エスタロンモカ』を多用したら、「包丁を持って人を殺したくなる」なんてことをエッセイに書いていた。
他に、自身が使うとのことで『太田胃散』も購入されたけれど、歳を取ってきたら高血圧の原因になりえるし腎臓への負担も掛かるため、使用を控えた方が良いことをお話しすると驚かれた。
胃薬も、単に使い慣れているからではなく症状に合わせて選ぶのが大事で、加齢による機能の低下を考えると『大正漢方胃腸薬』や『ギャクリア』(六君子湯)への乗り換えを検討することを提案した。
お客様から『命の母』を求められ、『命の母A』と『命の母ホワイト』の違いを説明したところ、奥さんにプレゼントにするとのことでイライラしがちなようなためAの方が適応しそうとお話した。
というのも『命の母A』は、気持ちを落ち着ける生薬に気持ちを落ち着ける物と気持ちを落ち着ける物を重ねているからで、精神不安に向いている。
一方、『命の母ホワイト』の方は『当帰芍薬散』が基本となっていて、血行不良による肉体的な疲労に適応する。
ただ、薬というのは患者さんの「困りごと」に合わせて選ぶものなので、プレゼントしてあげたいという気持ちは良いとして、サプライズではなく同伴してもらいたいと付け加えた。
そのうえで、薬をプレゼントするというのは心配であるから、少量で試してもらいたいものの、うちの店には大容量しか置いていなかったため近所のドラッグストアを紹介した。
念のためそのお店に連絡をしておいたのだけれど、電話に出た店員さんが「あー、はいはい」という軽い返事で不安になってしまった。
いつもだったらそんな対応はされないのだけれど、新しい人だろうか。
お客様が『ヴィックスドロップ』と『のどぬーるスプレー』をレジに持ってきたので、両方とも消毒系で良いのか尋ね、片方を抗炎症系にするか、もしくは抗炎症剤なら一つで充分なことを説明した。
彼女さんが使うらしく、サポートセンターの電話が担当とのことで、通勤中に喉を潤すためというため消毒系は体を守る菌を殺菌してしまうし、殺菌剤は刺激物でもあるためかえって喉を荒らしてしまうと説明し、抗炎症剤のアズレン製剤を紹介したところ、喉のスプレーは『パープルショットW』を購入された。
今回は頼まれたのか、それともプレゼントなのか分からないけれど、相手のためという気持ちを大切にするためにも店頭で相談して下さいな。
そういえば以前に、彼氏にプレゼントしたいとのことで栄養ドリンクの相談を受けたことがあった。
その場合も、その彼氏の仕事や生活の状況、体格や声の強さなどをヒアリングして絞り込んでいって販売した。
でも繰り返すけど、サプライズよりも一緒に同伴してもらうのが一番だと思う。