お客様が『のどぬーるスプレー』をレジに持ってきたけれど、娘さんが喉の痛みを訴えているというので、消毒系よりも抗炎症系のほうが適応することをお話してアズレン製剤を提案したところ変更になった。
炎症している患部への刺激を避けるために、柔らかい食事をするよう勧めた。
喉が痛む程度だと普通に食事をしてしまう人は多いかもしれないが、喉の痛みは風邪などの気道の炎症とは限らず、胃炎を起こしていて食道の方に問題があるケースも考えられるから、すぐに食事のメニューを病人食のような物に変えたほうが予後が良い。
とにかく、喉が痛いとお『のどぬーるスプレー』を選ぶお客様が多く、またも別なお客様がレジに持ってきたけれど、殺菌剤は刺激物で患部をかえって荒らしてしまうことと、体を守る菌も殺してしまうことを説明し、抗炎症成分のアズレン製剤を案内したところ変更になった。
もちろん、殺菌系を使って治ったとかスッキリしたという人もいるだろう。
ただし可能性として考えられる中には、「使わなくても自然に治った」ケースや、痒いところを叩くと痺れて痒みが気にならなくなるのと同じように「神経が誤魔化されてる」ケースも考えられる。
例えば、湿布薬の代表ともなっている『トクホン』や『サロンパス』の主成分であるサリチル酸の鎮痛効果は、チクチクする刺激による神経の麻痺とマッサージで、痛みの伝達物質の生成を抑えるのでも消炎するのでもなく、自然に治癒するのを期待して使う薬である。
お客様の喉の痛みは3日前からとのことで、胃炎の可能性もあることをお話し、食事を消化の良いものにするのが風邪にも胃の不具合にも共通の養生法と伝えた。
やや高齢のお客様からツムラの『薬参α』を求められ、置いていないことを伝えたところ、医薬品を扱っている駅前のコンビニで購入したそうで、1本しかなかったため、コンビニにあるから他でも売ってると思っていらしたそうだ。
ううん、残念。
そういう発想になるのかー。
コンビニとドラッグストアでは、お客様の需要が異なるから取り揃えてる商品は違うし、流通経路も違う。
また、医薬品に限らず医薬部外品はもちろん、製薬メーカーが作っている薬のフリした(?)清涼飲料水は、ドラッグストアーに卸さないコンビニ専売品とか、その逆にコンビニに卸さないからということでドラッグストアでの仕入れ価格を優遇している場合もある。
つまり、「コンビニで見つけた物はコンビニで探す」のが確実だし、「スーパーに売ってた物はスーパーで探す」方が見つけられる確率が高いように、「ドラッグストアで買ったのならドラッグストアで探す」のが空振りしにくい。
お客様は、成人の娘さんが風邪気味で授乳中なため頼まれたそうだ。
詳しい症状が分からないと一概には言えないが、風邪の初期であれば『葛根湯』も授乳中に使えることを伝えた。
ただし麻黄が入ってるので、子供が興奮する可能性は考えられるから授乳を終えてから服用する方が望ましい。
それにつけても、どうしてマイナーな『滋養強壮剤薬参α』を選んだのだろう。
たまたま店頭で見つけたのか、人から勧められたのか、ネットで見つけたのだろうか。
ノンカフェインという選択は良いので、『ユンケル黄帝液DCF』も候補になるし、私なら『ヒストミンゴールド液プラス』を勧めたいところ。
とりあえず頼まれ物ということで、お客様はお帰りになったけれど、薬を頼むときには銘柄を指定するより店頭で自身の状態や目的を相談して別な候補も選ぶというような幅を持たせてあげないと、頼まれる人が可哀想に思う。