高齢のお客様から、目の前が急に見えなくなるという相談を受け少し驚くと、友人から「ドラッグストアで店員に勧められた目薬でスッキリしたから、お前も行ってみろ」と言われて来店したとのことだった。
自分の目薬を貸さずに、お店に行くように勧めた点は良かったけど、「スッキリした」は余計(;^ω^)
お客様は、目の前の私の顔も見えないほどだというから、条件付けが違う。
そして、さらに詳しく話を聞いてみると眼科を受診中で、処方された目薬が不明なうえ、お薬手帳は持ってきていなかった。
医師がどのように診断したか不明なため、確認してから薬を買った方が良いとお話したものの話がループしてしまい、お帰りになった。
他のお店に行くにしても、使ってる目薬を確認してもらうよう伝えたけれど、背を向けたまま手を振り去っていかれてしまった。
ほぼ他の薬と影響しない人工涙液も考えたのだが、友人の「スッキリした」という言葉もあるから、勧めにくかった。
お客様から目薬を求められ、中学生の子供が花粉症というため『ロートアルガード』を案内し購入を決められた。
そして花粉症対策は、腸の働きを助けることが大事とお話した。
外敵に襲われたとき、攻撃が必要かを判断するのには第二の脳とも云われている腸が関わっている。
腸の状態が悪いと、敵ではない花粉に対して過剰な攻撃を加え、それが花粉症として現れる。
目鼻を炎症させるのは免疫機能を高め、血流を良くして壊れた部分を修復する材料を運び、不要な老廃物を回収するため。
鼻水やクシャミは、敵を追い出すため。
腸が正常に働きやすい環境を整えるには、入浴したり下半身に厚着をして体内の温度を高めに保つことが必要で、温かい物を積極的に飲むのも有効。
よく、ヨーグルトが花粉症に効く言われてるのは、ヨーグルトが直接的に効いているのではなく、腸の働きが正常になれば敵味方の識別も正しく行なわれるからだ。
そう説明すると、子供は電車でも通学中に便意を催してしまうため『セイロガン糖衣A錠』を使っているというので、水無しで飲める『小中学生用ストッパ下痢止めEX』と、予防に『桂枝加芍薬湯』を紹介した。
また、『セイロガン糖衣A錠』は『正露丸』から、炎症を抑える成分と痙攣を鎮める成分を抜いてある簡易版の処方なことと、腸には味覚も嗅覚もあるので、あの独特の匂いが効果には有益なことを説明した。
子供は、入浴せずにシャワーで過ごしていると分かり、入浴したほうが良いことをお話したうえで、太い血管の通っている背中側に重点的に浴びるよう勧めた。
そしてなによりも、こうした周辺情報のお話をするためにも、患者自身の生活スタイルが分からないと情報の取捨選択が難しいので、本人の来店が望ましいことを伝えた。
夫婦のお客様が来店し、奥さんが鼻炎薬を選んでいたので、てっきり患者本人かと思い『フェキソフェナジン』をレジに持ってきたさいに、『パブロン鼻炎カプセルSα』などの他の鼻炎薬とは用途が異なることを伝えたところ、別の売り場に行っていた旦那さんを呼びで戻してもらうことになってしまった。
フェキソフェナジンは『アレグラFX』の主成分であり、エピナスチンの『アレジオン』と同様に、花粉に反応させないのを目的とした予防薬として使うのが効果的。
だから毎日、花粉が飛んでいようがいまいが欠かさずに服用する必要があるし、すでに症状が激しく出ているようだと使うには遅い。
その場合には、点鼻薬や目薬などを併用するか、いったん症状をすぐに抑える別な薬を使って落ち着いてから乗り換える。
旦那さんにヒアリングすると、主訴は鼻水と鼻づまりとのことだったが、鼻づまりの方が顕著なようなので『アネトンアルメディ鼻炎錠』を勧め変更となった。
処方の特徴は、現代薬と生薬を合わせてあること。
鼻水は分泌する穴をキュッと締めてやれば済むから現代薬は得意なのだけれど、鼻づまりの方は鼻の奥の血管が炎症して膨らんでいる状態なため、炎症を抑えるとなると現代薬は苦手なんである。
そして養生法として、腸の働きを助ければ症状が軽減することをお話すると、シャワー派だそうなので入浴を勧めたうえで浴び方を教えた。