高齢の客様が『セルベール整胃』をレジに持ってきて、他に何か候補になる物があるか尋ねられたのでヒアリングしたところ、胃もたれに備えてとのことだったけれど、背中が痛くなる事があり、水よりもお湯を飲んで楽になることが多いというため、『ギャクリア』(六君子湯)と『スクラート胃腸薬S』を紹介した。
お湯を飲むと楽になるということは、温まって血行が良くなると改善するということでもあるから、胃が冷えているか疲れていると考えられ、総合胃腸薬に入っていることが多い胃の働きを抑えてしまう制酸剤は不要となる。
反対に水を飲んで楽になる場合には、胃炎を起こしていたり胃酸の出過ぎの可能性があるため、あえて機能を低下させる成分や制酸剤の入った物、あるいは胃の保護に特化した薬を選ぶ。
今回の場合は、お客様の症状に『セルベール整胃』も適応しますと説明し、そのままお買い上げいただいた。
お孫さんとディズニーランドに行くというので、足元の冷え対策とお腹周りを温めるよう勧めた。
お客様が『大正漢方胃腸薬』を購入されるさいにヒアリングすると、家族からの頼まれ物で、現在の症状分からないというため、人間関係など「外からのストレス」が思い当たる場合は他に『大正漢方胃腸薬アクティブ』が、起きてもいないことを心配するような「内面からのストレス」には『太田漢方胃腸薬II』があることをお話した。
そして、胃薬は逃げ出したいくらい難しいことと、ご本人の来店が一番と伝えてもらえるようお願いした。
どうして逃げ出したいくらいかというと、胃腸薬には成分の種類が多くて複雑な処方の物が多く、他の薬や持病などと影響し合うため使用の可否の判断が難しい。
それは、「漢方薬だから安心」ともならないということ。
また、胃腸の症状というのは熱・咳・鼻炎など症状が明確になりやすい風邪などと違い、患者本人ですら自身の不調を言葉にしにくいものだからだ。
さらに、原因に思い当たることをヒアリングから推測するためには、食事の内容や生活スタイルといった深堀りが必要となる。
原因がいつも同じとは限らないから、お気に入りの胃腸薬があったとしても、それがいつも適応するとも限らないのだ。
お客様が『龍角散ダイレクト』と『ヴィックスドロップ』を持ってレジに来たけれど、湿った音の咳をしていたので合わないかもとお話して、『ストナ去たんカプセル』を提案した。
痰を出すために喉を潤す『ストナ去痰カプセル』は、その特性からすると湿った咳には不要とも考えられるが、少なくとも内臓の冷えが原因の可能性が高いから、冷やしてしまう『龍角散ダイレクト』を使うよりは去痰剤のほうが良い。
するとお客様は、他のお店で総合風邪薬の『ストナアイビージェルS』を購入したという。
しかし、咳が出る前に発熱しており、その後熱も下がったというので解熱鎮痛剤の入った『ストナアイビージェルS』を使う必要はなく、次の機会に取っておくよう勧めた。
のど飴は欲しいそうなので、抗炎症剤の入った『パブロントローチAZ』と、喉を開いて呼吸を楽にする『南天のど飴』を紹介し、『ヴィックスドロップ』から後者に変更となった。
『ストナアイビージェルS』を自分で選んだのか、店員から勧められたのかは訊きそびれてしまった。
とにかく、内臓が冷えて胃腸の機能が低下している可能性をお話し、温かくて消化に良い食事をするよう勧めた。