やや高齢の常連のお客様が訪れ、指先割れに昔は水絆創膏を使っていたそうだが、実際に割れているとなると傷口にしみるうえ、治療が必要なことをお話して『ヒビケア軟膏』をお使いいただくことになった。
台所仕事が原因のようなので、食器洗いの後の手洗いは石鹸やハンドソープなどを使わずにキッチンペーパーでこすり洗いするよう勧めた。
食器用洗剤で皮膚を守る皮脂も洗い流されてしまうから、そのうえさらに皮脂を洗い流す機会は減らしたほうが良い。
それから、お湯を入れた湯呑みを握る養生法も教えた。
皮膚の材料を運ぶ指先の細い血管を拡げて、血流を良くするためである。
子供を連れたお客様から『ユースキンA』を求められ売り場を案内すると、瓶とチューブで迷われたのでチューブの方が空気を多く混ぜて柔らかくし塗り広げやすいことを説明すると、「同じだと思ってた」と驚かれた。
また子供なら乾燥を防ぐのには『ワセリン』でも充分なことをお話しすると、油膜により水分の蒸発を防ぐだけということはご存知だったので、20代を過ぎたら血流を良くして保湿するヘパリン類似物質を、高齢になると水分を体内に捕まえておく機能が衰えるので尿素が有用なことを説明した。
すると、『ワセリン』はベトつくというので、塗りすぎと考えられることをお話した。
手の甲の範囲なら、米粒一つ分。
それを、薄く薄く伸ばしていけばベトつかない。
他に、尿素の副作用を心配されたけれど、確かにピリピリとした刺激があり、紅斑になるという報告もあるものの、そこまでは心配は無用と説明した。
お客様から口角炎の相談を受け、『メディカルリップ』と『モアリップW』を案内すると、価格の面で安い後者を選ばれ、お買い上げいただいた。
薬は値段が高ければ良く効くという物ではないので、似た処方ならば安い方を選んだほうがお得ともいえる。
単純に価格の安さだけで症状に適応しない薬を選ばないように、気をつければ良い。
そういう意味では、恥ずかしくないから予算は早めに提示してもらえると案内しやすい。
ただ、今回のお客様は症状が一週間以上が続いてるというため、ウイルス性の可能性も考え受診勧奨した。
一方、ウイルス性で無い場合は、口で起きてることは胃でも起きているという考え方があり、胃炎などの可能性をお話して、数日は普通の食事を避け消化しやすいメニューにするよう勧めた。