お客様が『エスタックイブNT』をレジに持ってきたけれど、主訴は鼻水と喉の痛みで咳は無いというため鼻炎薬を提案したところ、不満そうにされたため効能に喉の痛みもあることを説明すると、鼻炎薬の棚に向かって今度は迷われたようなので一旦離れた。
なにしろ『エスタックイブNT』は鼻風邪を謳っているけれど、他の総合風邪薬と較べても鼻水を抑えるヨウ化イソプロパミドが一つ増えた程度で、咳止め成分に覚醒剤系と麻薬系の2種類が入っていて、やっぱり咳き込むようでなければ使うことによるリスクのほうが大きい。
覚醒剤系は呼吸をしやすくするために気道を開く代わりに、血圧を上げるし、治っていなくても体が元気になったかのように錯覚してしまう。
鼻炎薬に入っている成分も同じように働くため、リスクは同じと云えるかもしれない。
その意味で問題なのは、麻薬系のほう。
咳を止めるために中枢神経を抑えてしまうので、呼吸を浅くし、心臓の鼓動を弱め、体内の保水機能を狂わせることから乾燥しやすくなり、その乾燥がかえって咳を招いたり便秘になったりする。
咳が無いのに使ったら、副作用しか享受できないということになる。
しばらくしてお客様から呼ばれ、鼻炎薬で迷ってるというので同じ処方の物は水無しで飲める1日3回の錠剤と1日2回のカプセルの剤形でも、あるいはブランド名で、それこそ価格で選ぶのが良いとお話したところ、『パブロン鼻炎カプセルSα』をお買い上げいただいた。
鼻炎薬の成分の副作用で口渇が起こることはご存知だったので、こまめな水分補給と内臓を休めるために消化に良い食事を勧めた。
こまめというのは、1回10ml程度で構わないから30分~1時間ごとに水分を口にする。
というのも腸が一回に吸収できる量が決まっているため、喉が渇いたときにだけ飲んでいると吸収されずに排泄されてしまう。
また、腸は体温より低いとやはり受け付けないから、常温か温かい飲み物が良い。
鼻水は内臓が冷えていることも原因と考えられ、その点では温かいほうが望ましい。
お客様が『エスタック総合感冒』をレジに持ってきたさいに咳があるのか尋ねると、「総合じゃないの?」と不思議がられたので、総合だからこそ全部入となっていて、起きていない症状成分を摂取すると体の方は無駄に処理をすることになってエネルギーを消耗し、起きていない成分の副作用が邪魔になることを説明したうえで、ヒアリングしてみた。
すると主訴は鼻の奥の乾燥感というため、上半身を温めて血流を良くする『葛根湯』と上半身を冷やす『銀翹散』のどちらでも行けそうなため、両方とも案内すると『葛根湯』を購入された。
ただ、『葛根湯』は摂り過ぎるとかえって乾燥を招くため、連用はしないよう伝えた。
養生法として、こまめな水分補給を勧めた。
お客様から『ペラックT』を求められ売り場を案内しながらヒアリングすると、奥さんがいつも使ってるそうで、適応するようなためお買い上げいただいた。
患部への食べ物の刺激も良くないので、噛まずに済む食事をと伝えた。