お客様から花粉症の目薬を尋ねられ、痒み止めと抗炎症の成分が入ってるのは共通していて、価格の高い製品になると、よりアレルギーを抑制する成分や角膜の修復を手伝う成分が加えられていることを説明した。
一方で、目薬に使用できる成分はガチガチに決まっているため、新発見の素晴らしい成分が入ってる訳ではなく、効き目と価格は直接的には関係しないことも伝えた。
さっきの価格の高い製品も良い成分だから高いと言うより、成分の組み合わせや濃度を変えるだけでも申請するのにお金がかかるからである。
今回は、市場で安く処方内容がスタンダードな『ロートアルガード』をお買い上げいただいた。
お客様が『アルガードクリアマイルドEX』を購入されるさいに、つい「(価格の)高めの商品ですが、よろしいですか?」と尋ねてしまった。
『ロートアルガード』と較べて価格が倍の千円超えなんだもの(;´∀`)
お客様には上記と同じ説明をして、目薬の差し方も教えた。
テレビの情報番組などでは、医師が目薬を点した後には目頭をギュッと指で抑える方法を勧めているけれど、これがやってみると意外と難しく、手を洗っていないと目を汚染させてしまう可能性がある。
私が目薬の開発に携わっている研究者さんから教わったのはもっとシンプルで、静かに目を閉じて少し下を向いて最低でも1分以上、できれば5分は閉じたままにしておく方法。
人間の体は外部からの侵入を防ぐためのシステムが優秀で、花粉症で涙や鼻水、クシャミなどが出るのも、その防衛機能が過剰に働いた結果である。
つまりは、目も目薬を追い出そうとしてしまうのだ。
顔を起こしたままだと目の後ろから鼻を通って喉へと追いやり、目薬に反応して涙で洗い流そうとし、睫毛は異物が目に入らないようにするための物だから、瞬きをすると薬剤が睫毛に持っていかれ、目から溢れた目薬をティッシュで吸い取ってしまっては、点した意味すら無くなってしまう。
少し下を向いてる状態ならば、瞬きをしても表面張力で目薬は睫毛にまとわりついて捕らえておくことができる。
やや高齢のお客様から、目の充血の相談を受け見せていただくと、確かに血がた溜まっているようだったけど、痛みや痒みは無いというため、自然に吸収されると考えられることをお話した。
すると、家には何か充血用の目薬があるそうだ。
あるのであれば使っても良いとは思うものの、充血用の目薬というのは成分によっては気を付けた方が良いものもある。
代表的な塩酸テトラヒドロゾリンなら、血管を収縮させて血流を阻害することで充血を「目立たなくさせる」だけで治す訳ではない。
長期連用すると、ただでさえ細い目の血管が固くなって栄養が行き渡らなくなる副作用を起こす可能性がある。
充血に目薬を使うのなら短期集中が基本で、「予防のために」と毎日使うようなことは避けてもらいたい。