子供を連れたお客様からマスクを求められ、花粉症というため『ワセリン』を鼻の穴の入り口に塗る方法を教え、腸の働きを整えるのが大事と説明した。
患者は子供のようだったので、子供本人にもお話をした。
やはり養生法は、本人に知ってもらわないと意味がないから、親に説明するだけでは駄目だと思う。
腸には脳と同じ神経細胞が分布しており、「第二の脳」と呼ばれている。
その腸は外部からの侵入にも目を光らせていて、ウイルスなどの外敵であれば排除したり免疫機能を活性させて戦う手はずを執る。
それが、涙や鼻水、あるいは咳であり、風邪などで発熱するのはウイルスを倒すためと血流を良くして栄養を運び老廃物を回収するのだ。
ところが、本来はそれほど害の無い花粉も敵だと勘違いし、外敵と同じ反応をして発症してしまうのが花粉症。
腸の機能が低下すると起きる現象で、食べ過ぎて腸が消化に忙しくなったり、冷たい物を飲みすぎて腸が働きが鈍くなるのが原因。
要は、腸が働きやすい環境を整えてやることが大事で、腸が正常に働けば敵味方の識別も正常になる。
ヨーグルトが花粉症に良いとされているのも、花粉症に効くというより腸内環境が整うからだ。
腸の働きを助けるためにできる一番簡単な方法は、とにかく温めること。
温かい物を積極的に飲み、お風呂にはしっかり入って、服装は暖かい季節に上半身を涼しくしても下半身は厚着をしておく。
それらの一つひとつを積み重ねていくことで、花粉症は軽減できることをお話した。
お客様が、花粉症にと『スマイル40』と『スマイル40ゴールド』の両方を購入され、目薬の使い方を教えたところマスクの入荷を尋ねられ、もう家にある分が無くなるというため、症状を軽減する方法として鼻の穴の入り口に綿棒で『ワセリン』を塗って花粉に反応しにくくする方法と、腸の働きを助ける工夫が大事なことを教えた。
目薬の使い方は、日記にも繰り返し書いているように、目薬を点したらすぐに目を閉じて少し下を向き、1分以上そのままにしておく。
上を向いたままだと薬剤が目の裏から鼻へとは流れてしまい、瞬きをすると睫毛に持っていかれてしまうからだ。
目薬の開発に携わっている研究員さんの話だと、目を閉じてる時間は本当は5分だそうなので、時間に余裕があればスマホで好きな曲を流して、効きながら目を閉じておくリラックスタイムにすると良いだろう。
耳から入る音よりも目から入る情報の処理のほうが脳の負担になるそうだから、睡眠以外で目を閉じる時間というのは案外と有益なのだ。
若お客様が『スットノーズαプラス』を購入されるさいにヒアリングし、主訴は鼻水だというので適応することを伝えたうえで、念のため鼻づまりとの違いを説明して、内臓が冷えている可能性を伝えた。
鼻炎というのは、体の防御反応としては異物を追い出そうとする早発反応が鼻水で、体が出しきれないと判断すると今度はウイルスなどを倒そうとして鼻の奥の血管を炎症させる遅発反応を起こし、その炎症により血管が膨らんで鼻づまりとなる。
そして漢方的には、鼻水は内臓の冷えからくる現象で、鼻づまりは上に昇った熱が降りなくなってくると考える。
対処法は同じで、温かい物を飲み入浴などお腹周りを温める工夫をするのが良い。
内臓が温まれば鼻水は治まり、血流が良くなって熱が循環すると鼻づまりも軽減する。
お客様は入浴しているそうなので続けるよう伝えたうえで、温かい物を積極的に飲むよう勧めた。
ちなみに、点鼻薬の使い分けとしては、『スットノーズαプラス』や『パブロン点鼻』などは鼻水を止めるのは得意だけれど、炎症を抑えるのには力不足なので鼻づまりならステロイド剤の入った『パブロン鼻炎アタックJL』などが向いている。
なお、点鼻薬の連続使用には注意が必要である。
『スットノーズαプラス』などの鼻水の分泌を抑える薬は同時に血管を収縮させるので、連続で使っていると血流が滞って炎症を起こし鼻炎を誘発する。
つまり、鼻炎を抑える副作用が鼻炎となるのだ。
また、ステロイド剤は1日の回数制限の他に、1年間に3ヶ月を超えて使用してはいけないという制限もある。