お客様が『熱さまシート』を購入されたけれど、奥さんが38度から40度の熱があるというので、水枕を使うよう勧めた。
『熱さまシート』や『冷えピタ』などは、気化熱を利用しているから「熱を奪う」と言えばそうなのだけれど、熱源が熱を発し続けていたら無意味。
火傷や捻挫なども同様で、患部は炎症することで治そうとしているからその熱は持続することとなり、それを抑えるためには冷やす側も継続的に冷やさなければならない。
水枕なら、氷水を交換することで冷やし続けることができても、気化熱を利用する冷却シートではその効果は微々たるもので、「ちょっと気持ちいい」くらいのもんである。
ただ、発熱時に水枕などで冷やすのにもタイミングというものがあって、悪寒がしている場合には、まだ体がウイルスと戦おうと熱を上昇させる準備している段階だから、ジャンプする前にしゃがんだところを蹴り倒すのに等しく、早すぎるのは駄目。
悪寒がしている間は、冷却シートで体感的に涼しくして具合の悪さを軽減してあげたほうが良いだろう。
そうお話したところ、新型コロナウイルスが心配で保健所に電話し、自宅で様子を見るように言われたというため、解熱剤としてアセトアミノフェン製剤の『ノーシン錠』を紹介した。
新型コロナウイルスにはアセトアミノフェンでなければ駄目だという訳ではなく、奥さんが妊娠していたり授乳中だったりという情報を言わない男性が多いので念のためである。
アセトアミノフェン製剤をお客様から求められたけれど、新型コロナウイルスが心配だからというため、コロナ以外のウイルスに感染して発症する可能性を説明し、家に『バファリンA』があるというので、成分によって効き方が違うから、そのつど相談をとお話したところ、お帰りになった。
お客様からアセトアミノフェン製剤の『タイレノール』を求められ、品切れのため『ノーシン錠』を提案したけれど、一緒に入っている抗炎症のエテンザミドは嫌いというため、イブプロフェンと合わせた『バファリンルナi』を紹介したものの、今度は価格が高いから嫌だと断られた。
新型コロナウイルス以外のウイルスに感染する可能性もあるので、鎮痛剤の種類をこだわる理由は無いことを説明し、発熱しても悪寒が残っていたらまだ解熱しない方が良いと教えたら、途端に「いいこと聞いた♪」と機嫌良くお帰りになった。
アセトアミノフェンは痛みを止める効果はあっても、炎症を抑える効果は期待できないため市販薬ではエテンザミドと組み合わせることが多いのだけれど、どうして嫌がっていたのかは謎。