お客様から90歳という高齢の親の便秘の相談を受け、『酸化マグネシウム』は効かなかったというため、そもそもの食べる量が少ないことを考えて便の量を増やす『サトラックスビオファイブ』と、体内の乾燥に対応し便の滑りを良くする『オイルデル』を案内したところ、前者を試していただくことになった。
ただ、全く出ない訳ではないようなので、便座での座り方を教えた。
人間は背筋を伸ばしていると、直腸に蓋ができる構造となっており、立ちションは出来ても立ちウンチはできないようになっている。
つまり、洋式便器というのは便が出にくい姿勢となってしまい、理想は和式便器に座るような、お腹と膝が近い姿勢のほうが良いので、便座に座ったら前かがみになるか、足の方を台に乗せてやると出やすくなる。
親は通院しているそうだから、医師に相談するよう勧めたうえで、高齢者の便秘に処方されることのある『潤腸湯』と『麻子仁丸』を紹介した。
お客様が『ボラギノールM』をレジに持ってきたさいに、痛みの強さについて尋ねると、奥さんがネットで「産後に良い」というのを見て頼まれたとのことで、それがどんなサイトなのか分からないとのお話だった。
おそらくステロイド剤の『ボラギノールA』を避けるという考え方なのだろうが、その情報を発信した人が過度にステロイド剤を忌諱している可能性も考えられる。
確かにステロイド剤は安易に使って良い薬ではないものの、副作用が問題となりやすいのは内服薬で、塗り薬の方は適切に使えば怖がるような薬ではない。
ステロイド剤の副作用としては、患部の免疫機能を下げて菌などに敗けやすくなってしまうことと、皮膚の再生を阻害してしまうこと。
やっぱり怖いじゃないかと思われるかもしれないが、炎症を抑える効果に優れており、弱い薬をダラダラと長く使うよりは短期決戦で症状を抑え、症状が緩和したら弱い薬に乗り換えていくステップダウン方式が皮膚疾患の対応の主流となっている。
そう説明をして『ボラギノールA』を紹介したところ、奥さんに電話してどちらにするか尋ね始めたため、出血している場合にと止血剤の入っている『プリザエース』も案内すると、そちらの購入を決められた。
お客様には、電話に割り込んだことをお詫びして、ネットで検索するよりも調剤薬局の薬剤師を頼ることを勧めた。
患者である本人に連絡を取ってもらえるのは大変にありがたいのだけれど、どこかののタイミングで電話を代わっていただくか、こちらと双方の間をつないでもらいたいところ。
お客様が『イソジンうがい薬』を購入されるさいに、現に喉が痛む場合には刺激物なので適さないことと、毎日使うと体を守る菌も殺してしまうこと、また副作用も起こり得るためうがいは水道水で充分なことを説明した。
お話には興味を持って聞いてもらえたと思うけれど、それでも買われるのが不思議ではある。
新型コロナウイルスの騒動で、『イソジンうがい薬』が品薄になっていることだし、本当に必要な人の手に渡らなくなると困るから、不要であれば購入を控えてもらいたいのだけれど。