常連の夫婦のお客様が来店し、以前に使ったとのことで膀胱炎に用いる『腎仙散』を求められ、念のため病院で処方されている物として『猪苓湯』と『竜胆瀉肝湯』と『五淋散』も紹介したところ、症状がハッキリしてる訳ではないとのことで、そのままお買い上げいただいた。
比較としては、漢方薬は生薬の種類が少ないほどシャープに効くとされていて、体力中程度であれば多くの人に使える『猪苓湯』を基本とし、排尿時に灼熱感を感じる場合は『竜胆瀉肝湯』が候補となり、疲労感を伴うようなら『五淋散』が適応する。
他に、高齢者や食欲が落ちるくらいに疲労しているのなら『清心蓮子飲』という漢方薬もある。
いずれかの判断が難しく、症状が定まらない場合には、生薬の種類が多くて効果範囲が広い代わりに効き目も穏やかな『腎仙散』をチョイスすると良いだろう。
お客様が『ロートビタ40』をレジに持ってきたけれど、目の疲れのほかに痒みもあるというため選び直すことになり、他の店で購入した『ロートアルガードクール』が痛かったというため、メントールの少ない『新緑水b』を勧め、お買い上げいただいた。
ただ、お会計を終えてから、色がついてる目薬はシャツを汚すので避けたいと言われて困った。
炎症を抑える2種類の成分は、ベルベリン塩化物水和物が黄色で、アズレンスルホン酸が青色だから、両方が混じって緑色。
先に言ってもらえれば、避けたのに……。
どちらも水溶性だから、水洗いですぐに落ちることを説明すると、納得してもらえたけれど。
他にもビタミンB12は赤色だったりと、成分によって色が決まるので、どうしても避けたい場合にはご相談下さい。
先述したとおり、簡単に落ちるので気にするほどではないとは思いますが、出かけるときにアズレン製剤のうがい薬を使い色がついて困ったという話は聞いたことはあるから、使うシチュエーションの想定は大事かも。
お客様には、成分表示を取っておくよう勧め、いつものように目薬の点し方を教えた。
目薬を点して上を向いているか顔を起こしたままだと、薬液が目の裏側から鼻腔を通って喉へと流れてしまい、瞬きをすれば睫毛に持っていかれてしまうから、静かに目を閉じたら少し下を向いたまま1分以上かけて行き渡らせる。
時間が取れれば、5分はそのままにしておくと目薬が無駄にならずに済む。
高齢の常連のお客様がプロテインゼリーを購入されるさいに、玉子でのタンパク質摂取でも良いのではとお話したところ、中枢性塩喪失症候群とのことで、おはぎの塩でも駄目なのだそうだ。
中枢性塩喪失症候群は、脳内出血を起こしたあとに起こる低ナトリウム血症ということらしいのだけれど、どうしてそうなるのかは不明で、ナトリウムの濃度を調節するホルモンを上手く出すことができなくなると考えられている。
そして、単純に塩分を多く摂れば良いというものではなく、外から多く摂ってもそれを排出しようとして、ますますナトリウムが不足することがある。
これはもうアドバイスしようにも、登録販売者ではお手上げである。
ただ、ゆで卵を食べてはいて、しかし胃にもたれるというお話だったので、コンソメの素を溶いたお湯をかき回したところに溶き卵を落としていく玉子スープの作り方を教えた。
白身の塊を消化するのが大変なので、溶き卵やスクランブルエッグのようにすれば、ゆで卵よりは胃腸への負担が少なくなる。
とはいえコンソメの素にも塩分があるから、普通なら味付けに塩味を足すのを控えるのが良いだろう。
お客様も、「塩分を調整すれば良いわね。いつも教えてくれてありがとう」と言っていただけた。
もっと勉強しよう(`・ω・´)