お客様から耳の中の痒みの相談を受け『ムヒER』を案内してみたけれど、掻きすぎて出血したこともあるというため、傷口がある場合は痒み止めの軟膏も検討するよお話したうえで、お買い上げいただいた。
ステロイド剤は傷口の再生を遅らせ、患部の免疫機能を低下させるから、出血してるときには避けてもらいたい。
とはいえ、用法として耳の中に塗ることを前提にしているのは、この『ムヒER』くらいしか無いんだよねぇ。
それくらい酷いのであれば、やはり一度は病院を受診したほうが良いだろう。
お客様から虫刺されの相談を受け、両足に複数の喰われた痕があり、一週間前も経っているというため受診勧奨すると、以前に病院で処方された薬を塗っても効かなかったというのだけれど、肝心の薬が何なのか覚えていなかった。
しかも、その「効かなかった」というのが、どういう意味なのかが計りかねる。
ステロイド剤が出たのなら炎症は治まったはずだけれど痕を治す訳ではないから、痕が残ったことを指しているのかもしれないし、化膿などの悪化を抑える薬だと痒みが治まらなかったという意味かもしれない。
医師の側は薬を処方するときには、いくつもある薬の候補の中から選んでおり、そして人間の身体は機械ではないから部品を交換するかのように薬がバッチリとハマるとは限らないので、同じ病院に行って薬が効かなかったことを報告した方が次の手を取れる。
他の病院に行ったり、市販薬を買い求めると、前回の患部の状態が分からないから、その効かなかったという薬と同じ成分や効き方の薬を選んでしまう可能性がある。
今回のお客様も「チューブに入っていた」としか分からなかったため、お薬手帳を持ち歩くようお願いした。
また、虫除け対策をしていないというので、虫刺されは感染症も怖いことをお話してステロイド剤入りの『ウナコーワエースG』をお買い上げいただいた。
すると、ご主人も同様だというため、改めて受診勧奨した。
お客様が虫刺されの薬の棚を見ているところに声をかけてみたところ、息子さんとご主人が虫に刺されたところが腫れていて、ステロイド剤を探しているというので「良い選択です」と答えたうえで、そもそも虫刺されの薬は大きく分けると効果の違いで4段階あることを説明した。
ステロイドが入っているのは上の2段階で、その中にもまたステロイドのランクの違いがある。
よく勘違いされるのが『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』が同じ薬の剤形違いと思われることで、前者は一番弱く、後者は一段飛んで上から2段階目となるステロイド剤である。
だから、今回のようにステロイド剤を探しているというお客様に確認すると、家に『液体ムヒS』があるというケースに出くわす。
そして、息子さんもご主人も患部を掻き崩しているというため、虫刺されの薬だとメントールが入っていて傷口にしみるかもしれないので、『プレバリンα軟膏』を案内した。
同じ処方内容の場合、皮膚の防御機能を破って浸透するように調整されているクリーム剤のほうが効きが良いのだけれど、油分によって患部を保護する軟膏の方を勧めた次第。
すると、息子さんが傷口を気にされてるというので、軟膏なら保護を兼ねるので心配いらないことをお話したものの、本人は『エキバン』を本人が希望しているらしく、中身は接着剤みたいなものだから患部にしみることを伝えた。
そのしみ方は、メントールの比ではない。
痛みに弱い私なんか、飛び上がってしまうくらいだ。
しかし本人の希望もあることから、ステロイド剤の虫刺されの『ウナコーワエースG』を塗って、その上に『エキバン』を重ねるように塗るということに決まり、お買い上げいただくこととなった。
患部にしみる『ウナコーワエースG』の後に、さらに刺激の強い『エキバン』を塗るなんて、私にはできそうもない(´・ω・`)
あれ?
そういえば同じ薬を使うとなると、ご主人まで巻き込まれてるんじゃないですかね?
可哀想に………。
こういう事があるから、自分の使う薬は人に任せずに自分で選んだほうが良いのです。
自分で買うのなら、剤形とか触感とか自分の好みを反映させられるので。