若いお客様が『セナキュア』を購入されるさい使用したことがあるか確認したところ、初めてというため、皮膚をわざと腐らせて新しい皮膚を作らせることを説明し、顔には使わないよう伝えた。
小林製薬の『キュア』シリーズには『ケアノキュア』や『クロキュア』に『アオキュア』などがあり、それぞれ成分が異なるから、目的や使って良い体の部位などをお客様が理解されているか確認しないと心配な薬なんである。
店頭で確認しにくい場所が患部の場合には、予めスマホで写真を撮っておいてもらえると助かります。
もちろん診察・診断はできないけれど、それでも盛り上がってる皮膚の頂点の色とか、範囲の広さなど、症状に合わせて検討することは必要なので。
それこそ、病院を先に勧めるか市販薬で様子を見るかというのは、症状を確認しなければできませぬ。
お客様から特定の銘柄の抗生物質の塗り薬を求められたけれど、主訴は指の腫れで、売場スペースは限られているため似た処方の薬は置かないことが一般的なことと説明し、『テラマイシン軟膏』と『ドルマイシン軟膏』を案内したところ前者を購入された。
成分の効果の違いを訊かれ、それよりも同じ物を使い続けて耐性菌ができることや、反対に患部の経過観察を適切にしないまま次々と乗り換えて、耐性菌の種類を増やしてしまうことの方が問題と説明した。
たもにできる吹き出物に対処する程度ならば問題無いかもしれないが、長患いになるようだったら病院を受診した方が良い。
それは、医療用の抗生物質のほうが良く効くとかいうのではなく、病院ならば記録が残るからだ。
市販薬で対応しきれず病院に行く場合にも、使っていた抗生剤の成分は分かったほうが良いので、現物や添付文書、あるいはパッケージなどは残しておくことが大事。
お客様は患部に痛みがあるそうなので、『テラマイシン軟膏』の使用期間を先に一週間と区切り、その日を過ぎても改善が見られなければ病院を受診することと、その期間の経過観察のために写真を撮っておくよう勧めた。
もちろん、痛みが軽減していくかの簡単なメモも残しておくのが良い。
お客様から指の腫れの相談を受け、発症したのは一週間前からで、当初あった痛みは今は無いそうだが患部は色が黒くなっていたため受診勧奨したけれど、「ネットで見た」とのことで『テラマイシン軟膏』を購入された。
初期ならともかく、日が経ってから菌を倒す抗生剤を使っても意味が無いのに……、目の前の専門家の言葉より誰が書いたか分からないネットの書き込みを優先するのね( ´Д`)=3
というか、専門家の皮膚科の医師に診てもらうより、ネットの書き込みの優先順位が高いって変じゃない?
病院に行かないで治したいというのが市販薬を求める人のニーズというのは分かるものの、それならむしろ薬の特性は知っておいてもらいたいのに、抗生剤が何をする薬なのかについてはネットで調べないというのが不思議。
痛みが治まっているのなら、後は皮膚の修復を優先してヘパリン類似物質を使うことが考えられ、でもその判断が適切かを医師に診察してもらった方が本人のためにも良いはず。
でも、それは選ばない。
お客様が私に患部を見せるさいに、何度も患部を触るので触らないように言うと「痛くないから」と返されたので、自身の指で患部を汚染してしまう可能性と、皮膚が治ろうとするのを刺激して邪魔してしまうからと、お話しした。
残念ながら、ネットでの薬の使用感の書き込みには、そういう注意事項は無かったりする。
書き込む人も、良かれと思って体験談を語るのであれば、最後に一言でも「店頭で相談を」とか「専門家に確認を」と付け加えて下さいな。
仕方が無いので、お客様には私自身のシモヤケの失敗談のお話をした。
指にブツブツが現れて痛み、細菌感染を疑って抗生剤を塗ったけど改善せず、痛みと赤味が増してきたためステロイド剤を使うも良くならなかったため皮膚科に行ったら、医師が一瞥して「あっ、シモヤケだね」と宣った。
そして、「早く来れば良かったのに」と云われ、ステロイド剤を使ったことについては「駄目だよ」とダメ押しされた(´・ω・`)
お客様には、経過観察のために患部の写真を撮っておくよう勧めた。