お客様から外用消炎剤の相談を受け、成分によって鎮痛効果と浸透力が違うことを説明し、店頭で一番強くて血液中にも入っていくことにより効果の高いジクロフェナクトリウム製剤を紹介したところ、血圧と脂質の薬が処方されているということが分かった。
本で処方されている薬を調べようとすると、お薬手帳のアプリを見せられ、作用機序までもしっかり載っているんでビックリした。
ナニコレ、スゴイヘ(゚д゚)ノ!!
解説を読んでみたら、2種類の降下剤のうち一つの作用の仕方がジクロフェナクトリウム製剤とぶつかりそうに思えたため、処方してる薬局の薬剤師に使って良いか相談するよう勧めた。
そもそも主訴は足裏の痛みで、バネ指もあり、湿布は親や知人から分けてもらってるというため、今度はソッチにビックリΣ(´∀`;)
そういうのは望ましくないので、気をつけるようお話をした。
貼り薬や塗り薬などの外用薬も、内服薬との影響は無視できないんである。
お客様は一旦帰ろうとしたけれど、やっぱり何か欲しいというので、鎮痛剤としては弱いものの局所麻酔が入っている『トクホンチールOX』を案内したところ、購入された。
それから、お薬手帳アプリは便利だけれど、事故や災害時に備えて直近の分だけでも印刷しておくよう勧めた。
ロックを解除して見ることのできるアプリもあるようだけれど、スマホ本体が衝撃で壊れてしまう可能性はあるし、災害で避難した先で電源が確保できるか分からないので。
夫婦のお客様がサリチル酸製剤の『サロンパス』とフェルビナク製剤の『リフェンダゲル』を購入されるさいにヒアリングしようとしたけれど、症状教えてもらえなかったので、ステップダウン方式のことと成分によって鎮痛効果と浸透力が異なることだけ伝えた。
ステップダウン方式というのは、捻挫や打撲などの強い急性症状には最初に強い薬を使って、症状が和らいだら薬も弱い物に落としていくという方式のこと。
痛みに耐えるというのは身体にはストレスとなり、そのストレスが体調を崩す原因となってしまうこともあるので、弱い薬をダラダラと長く使うよりも、短期決戦で済ませることを目指す。
また、良く効くからといって強い薬の連用を防ぐ狙いもある。
そして、今回購入される薬でいえば、サリチル酸は弱い部類に入り、やっていることは微弱な刺激によって神経を混乱させるのと血行を良くするのが目的で、痛みや炎症そのものへの対応は、あまり期待できない。
用途としては、肩こりや筋肉痛に向いている。
一方、フェルビナクは一段強めの薬となり、直接的に痛みを取り除き炎症を抑えてくれる。
ちみなに、ジクロフェナクナトリウム製剤やインドメタシン製剤は、より鎮痛効果が高く、前者に関しては血液中にも浸透していくため良く効くものの、それだけに他の薬との併用や基礎疾患への注意が必要となる。
お客様には、強い症状の初期は氷水で冷やすことも付け加えた。
患部では、脳に異常を知らせるために痛みを伝達する物質を生成するので、それを邪魔することが予後の痛みの残り方に影響する。
最初に氷水で冷やせば、患部の機能が低下し、痛みの伝達物質の生産能力を落とすことができる。
ステップダウン方式を使うのも、同じ理由である。
今回の件でいえば、どうして効果の違う薬を揃えたいのか理由が分からないのが、販売する側としては不安が残る。
高校生を連れた親から子供のアトピー性皮膚炎とのことで相談を受けヒアリングすると、外用消炎剤としては比較的強い反面、日光皮膚炎の副作用のある『モーラステープ』を貼ったのに陽に当たってしまったという。
しかも本人が発症した当日に言わず、すでに一週間ほど経ってるというため、受診勧奨したうえで、自力で治すのを手伝うことくらいしかできないと説明して、ヘパリン類似物質の『ピアソンHPクリーム』を案内した。
液剤よりもクリーム剤の方が浸透力があるからなのだが、本人が『ユースキンあせもシート』を希望して両方をお買い上げいただくことになった。
入浴してるか尋ねるとシャワーだというため、皮膚の回復のためには入浴して血流を良くすることが大事とお話をすると、朝に浴びてるというため、夜に別に入浴することを勧めたけれど、本人はフラフラといなくなってしまった(;´Д`)
とにかく、副作用が現れたことは担当医に報告したほうが良いので、改めて受診を勧めたけれど……。