お客様が『第一三共胃腸薬プラス』をレジに持ってきたさいに、疲れている時に向いてることを伝えると、主訴は胃もたれで脂物が思い当たるということと、体調は悪くないということから『タナベ胃腸薬ウルソ』を紹介したうえで、『スクラート胃腸薬』を案内した。
胃もたれというのは、薬を選ぶのが簡単なようで適応の見極めが難しい症状の一つ。
胃の働きが悪くなってるとか、単純に食べ過ぎによる胃の負荷を考えがちだが、胃が原因とは限らないからだ。
というのも、胃の本来の機能は消化ではなく、消化の準備として食べ物を柔らかくするのと貯蔵。
特に脂物は腸で消化されるため、腸の機能が低下して処理が追いつかなくなると、食べ物を腸へ送ってこないように胃にストップをかけ、それが胃もたれを引き起こすことがある。
そして、腸での消化に使われるのが胆嚢から分泌される胆汁酸で、使い終わると再び腸から吸収され肝臓を通り胆嚢へと戻される。
つまり胆汁は体の中を循環しており、車のオイル交換のように主成分であるウルソデオキシコール酸を入れ替えようというのが『タナベ胃腸薬ウルソ』なのだ。
だから、他の胃腸薬と違って『タナベ胃腸薬ウルソ』は症状のあるときだけに飲むのではなく、20日分なら20日分を毎日欠かさずに通して飲み切るという使い方をする。
また、市販薬では効能を取得していないため、肝臓疾患にと販売することはできないが、病院では治療に用いられている薬だから、お酒を多く飲む人の胃もたれには候補となる。
お客様には、胃の状態を知るのにお湯と水のどちらを飲んで楽になるかを調べる方法があると教えたところ、スナック菓子の食べ過ぎとのことで、水を飲みたくなったということから胃に保護膜を貼って癒やす『スクラート胃腸薬』を購入された。
水を欲するというのは胃炎を起こしている可能性があり『スクラート胃腸薬』が向いていて、お湯を飲むと楽になる場合には疲れたり冷えたりしている胃を助ける『スクラート胃腸薬Ｓ』が適応する。
お会計を終えてお客様は一旦帰ろうとしたけれど、声嗄れの相談も受け、患部を冷やす『龍角散ダイレクト』と、潤す『ストナ去痰カプセル』を紹介した。
ただ、声枯れや喉の痛みというのは繋がっている胃が関係する可能性をお話して、その場合は『スクラート胃腸薬』で胃の炎症が治まれば、喉の炎症の改善も効果が期待できることと、３日間は噛まないで済む柔らかい食事をするよう勧めたところ、本日はお帰りになった。
かなり高齢のお客様が『太田胃散Ａ錠』をレジに持ってきたさいに、顆粒の『太田胃散』と違って胃の働きを助ける健胃剤の成分が少ないことを伝えると、普段は『ザ・ガードｺｰﾜ整腸錠α3+』を使っているというので、一部の成分が重なっており『太田胃散Ａ錠』は不要かもとお話した。
それに、『太田胃散』にも『太田胃散Ａ錠』にもナトリウム、いわば塩分が入っているから血圧が高いようなら注意が必要である。
お客様は別々に使ってはいるそうで、家族も使っているとのことだったことから、そのまま購入を決められた。
また、解熱鎮痛剤の『ナロンエースＴ』も家族みんなで使うからと大容量の物を購入されるため、表に現れている症状は同じでも原因が異なったり、体質や年齢の違いによっても薬を変えた方が良い場合があるのと、大きな病気の兆候を見逃す可能性もあるから、本人が薬を購入するのが望ましいことをお話した。
お客様は両足ともに人工関節を入れてるとのことだったけれど、歳を聞いてびっくりするぐらいお元気そうだった。
お客様から『ノコギリヤシ』と『ノコギリヤシEX』の違いを尋ねられ、後者には血流を良くするとされるビタミンＥが入っていることを伝えたところ、薬より弱いかと訊かれたので、それ以前にサプリメントは医薬品と違ってリスクが分からないことが問題と説明した。
体内での溶け方もそうで、サプリメントの中には吸収されずに排泄されてしまう製品もあり、しかもそれは購入者には調べようが無い。
お客様の主訴は頻尿で、漢方薬を提案すると興味を持たれたことから『八味地黄丸』を案内した。
ただ、病院を受診して保険を適用した方が安上がりだし、医師の意見を聞くのも大事なこととお話したうえで、お買い上げ頂いた。
それから、夜中にトイレに起きないようにと寝る前に水を飲むのを控えると、血液中の塩分濃度が上がって、それを排出しようとかえって尿意を催すこともお話した。
寝ている間にも汗をかき、体内の水分は失われ渇水状態になるから、寝る前に少しの水を飲むのは大事なんである。
お客様は、入浴はたまにというため、寝る時間を削ってでも湯船に入ってお腹周りを温めたほうが良いと勧め、入れない場合の補助策としてシャワーを太い血管と神経の通っている背中側に浴びる方法を教えた。
