お客様からステロイド剤を求められ、病院から処方されているという薬を見せていただくと、ベリーストロングに分類されていたため、市販薬はストロング以下しかないことと、単味剤も置いていないことを説明したうえで、殺菌剤入りの『フルコートf軟膏』をお買い上げいただいた。
お客様には、現物も良いのだけれどお薬手帳を持ち歩くよう勧めた。
お薬手帳で知りたいのは、単独の使用している薬だけではなく、薬の「使用履歴」なので。
使用履歴から、薬が合っていることとか医師の治療方針など見えてくることがある。
お客様は、ステロイド剤は炎症を抑える力が強い反面、免疫力を低下させ抵抗力を落としたり、皮膚の再生を阻害することは知っているようだった。
でもそれなら、市販薬を処方薬の代用にするようなことは避けてもらいたい(;^ω^)
お客様から、13歳の子供が2日前に突き指をして、以前に処方されて余っていた湿布を使っていたそうだが、何か分からなかった。
年齢制限の点から、使える中で一番強いインドメタシン製剤を勧めて『バンテリンクリミィゲル』をお買い上げいただいた。
それから、突き指や捻挫、打撲などの急性症状の初日は氷水で冷やした方が良いことと、先に病院を受診して専門家を頼る方法もあることをお話した。
まず強力に冷やすのが良いのは、患部で痛みの伝達物質が急速に生産されるから。
脳に異常事態を報せるためとはいえ、生産量を調整できないため、この痛みの伝達物質が多く作られてしまうと、痛みが後々まで長引くことなる。
それを阻止するには、患部の身体機能を低下させるのが有効で、氷水で急速に冷やすことにより痛みの伝達物質が作られにくくなる。
そして、強い衝撃を受けるとポッキリ折れるような骨折にはならなくとも、骨の一部が剥がれる剥離骨折を起こすことがあり、その場合は痛みが強くとも動かせるものだから、気づきにくく一週間くらいしても痛みが引かなくて、ようやく分かるというパターンがある。
高齢のお客様がジクロフェナクナトリウム製剤の『フェイタスZαジクサス』を購入されるさいにヒアリングすると、主訴は打ち身で、心臓の手術をしたことがあり他にも複数の薬が処方されてるというため、お薬手帳を確認させていただいた。
ジクロフェナクナトリウムは、市販薬の中で一番鎮痛効果が高いとともに浸透力もあるため、血液の中にまで入っていく。
そのため、腎臓疾患や心臓疾患など循環器系の持病を持っている人は注意が必要。
そう説明して、一段効果を落としたフェルビナク製剤の『フェイタス5.0』への乗り換えも提案したけれど、痛みが強いのかそのまま使いたいというため、成分表示を切り取ってお薬手帳に貼るよう勧めた。
お客様は、通勤途中に薬を受け取るために、お薬手帳を普段から持ち歩いているそうだ。
お客様からは「初めて訊かれた」と驚かれたが、市販薬を購入するときにも安全性の確認の他に、出先で事故に遭ったら救命処置の参考になることと、大規模災害により避難することになった場合には特例で医師の診察を受けなくても薬を受け取れるといった必要性をお話して、ぜひ他の人にも伝えて下さいとお願いした。