お客様が『バファリンルナJ』と『小中学生用ノーシンピュア』を見較べていたので気にかけていたところ、前者をレジに持ってきたためヒアリングしてみた。
13歳の子供が生理に使っているそうで、後者には鎮静成分が入っておりその効果と副作用について説明したところ、本人は『バファリンルナJ』があまり効いた気がしないと言っているというため『小中学生用ノーシンピュア』を試していただくことになった。
鎮静成分は気持ちを落ち着けることにより鎮痛効果を高める一方、眠気を催したり集中力を削ぐから、私は普段は勧めないのだけれど、生理痛は精神的な影響も無視できないし、アセトアミノフェン製剤は炎症への効果が期待できないことからすれば、生理痛への効果も弱いと考えられ、本人が単剤では効いた気がしないと言っている以上、試してみる価値はあるはずだ。
なんでもかんでも患者の意向を優先してしまうのは、依存や事故を防ぐ観点からすると良くないものの、苦しい症状を軽減できないと、薬の使用回数を自己判断で増やしてしまったり、反対に薬を使うのを我慢しすぎて体調を崩してしまうケースもあるから、やはり効果の高いほうを選ぶのが良いだろう。
ただし、3日以上連用しないよう伝えた。
また、病院を受診したことはないそうなので、将来のためには専門家の話を聞いておいた方が良いことをお話した。
生理痛を当たり前と思うようになると、症状が重くなっても病院に行かなくなり、成人して就職などしたら、なおさら足が遠のいてしまって、大きな病気を見逃しかねない。
できれば、同じ病院に定期的に通ってカルテを積み重ねていくのが、異常に気づいてもらうためにも望ましい。
お客様には、15歳になれば薬の選択肢が広がるので、本人がお店で相談して自身の体を意識させるよう勧めたけれど、余計なことに思われただろうか。
小心者だから、気になってしまう。
若いお客様が『サロンパス』と『酸化マグネシウムE』をレジに持ってきたけれど、前者が外用消炎剤としては弱めの薬であることを伝えると、最初は「バネ指かも」とのお話しで、しかし病院を受診したことは無く、ゴルフをやっていて掌の内側が痛むとのことだった。
『サロンパス』のようなサリチル酸製剤は直接的に痛みを抑えるのではなく、弱い刺激を患部に与え続けることで神経を混乱させる仕組み。
いわば、痒いところを叩くと痺れて痒みが気にならなくなるのと同じ。
肩こりのように、血流を改善させると症状が和らぐ場合にはその刺激が向いているが、痛みが顕著であれば、やはり鎮痛効果の高い薬を使ったほうが良いのではとお話して、患部が動くところでもあるため塗り薬を提案すると、すでにフェルビナク製剤の『ロイヒクリームフェルビナ』を使ってると分かった。
インドメタシン製剤などに較べて鎮痛効果は劣るとはいえ浸透力があるから、フェルビナクより弱いサリチル酸製剤に乗り換えるメリットは無い。
しかも、お客様は『ロイヒクリームフェルビ』を寝る時だけしか使っていないというため、一日の回数を増やすよう勧めたところ、『サロンパス』はキャンセルになった。
先に専門家の話を聞くために病院を受診する方法もあることを、お話した。
そちらの話が長引いてしまい、もう一つの便秘薬についてはヒアリングできなかった。
高齢の常連のお客様から、歯痛に『バファリンルナi』が使えるか質問されて、適応することを答えたうえで、主成分のアセトアミノフェンが痛みに効いても炎症には弱いものの、一緒に入っているイブプロフェンは痛みの信号を発信するのも受信するのも抑えるから効果が高いことを説明した。
ただ、同じブランド名の『バファリンA』の中身はアスピリンで、鎮痛効果はイブプロフェンに及ばない反面、抹消神経に作用して痛い場所そのものに効くため、歯痛や肩こりなどに向いていることも伝えた。
家に『バファリンルナi』があり、歯医者の次の予約がかなり先となるため相談された模様。
こうやって家にある薬が使えるかどうかを相談してもらえれば答えられるから、ぜひ買い物をするかどうかは二の次と思って、気軽に声をかけてもらいたい。
そうやって常連になってもらえれば、こちには持病なんかの情報も積み重なっていくし。
お客様には、改めて歯医者に電話で相談してみるよう勧めた。
予約状況によっては、早めに対応してもらえることがあるので。