若いお客様から下顎のかぶれの相談を受け、本人は抗生剤と抗真菌剤を合わせた『クロマイN軟膏』をレジに持ってきて、「マスクのせいかも」と言っていたけれど、かなり広範囲で腫れも大きかったため、病院を受診するよう勧めた。
しかし、なかなか病院に行けないとのことで、患部に痛みも感じるとのことからステロイド剤と抗生剤を合わせた『クロマイP軟膏AS』を使っていただくことにした。
最初に痒みを尋ねるたときには「無い」と言われたけれど、痛みと痒みを別な症状と考えてることが分かり、人間には痒みを感じる神経は無くて、痛覚神経が弱い痛みを痒みと感じ、痒みは痛みと同じく患部に異常が起きている証拠であることを説明した。
また、鼻風邪を謳っている『ルルアタックNT』も持っていてけれど、主訴は咳で鼻の症状は無く、タバコが原因に思い当たる痰が絡むというため、『ダスモック』(清肺湯)を勧めて変更となった。
どうして咳が主訴なのに、鼻風邪の薬を選んだのかは分からない。
まぁ、鼻風邪や喉風邪を謳っていても咳止め成分が入ってるんで、実は風邪薬はどれを選んでも、たいして変わらないんですが。
お客様は、入浴できる環境だけれど湯船に入るのは1ヶ月に1回くらいというため、シャワーの浴び方を教えた。
皮膚の老廃物を回収して修復するための材料を運ぶのは血液だから、血流を良くするのが重要なので、本当は入浴してもらいたいところなれど、水道代を考えるとままならないという事があるだろう。
せめて少しでも体を温めて血流を良くするためには、太い血管の通っている背中側にシャワーを浴びると良い。
少しでも長く浴びるようにしたいので、髪や体を洗っている間はずっと背中をシャワーに向けておく。
ちなみに、背中には太い神経も通っているから、シャワーの刺激がマッサージになってリラックス効果があり、疲労回復にも役立つ。
お客様から面疔の相談を受け、他の人からは抗生剤の『ドルマイシン軟膏』を勧められたという。
確かに面疔ならば、細菌の感染によるものなので適応するが、患部は赤みが強く痛みもあるというため抗生剤とステロイド剤を合わせた『ドルマイコーチ軟膏』と『クロマイP軟膏AS』を案内し、前者をお買い上げいただいた。
入浴の他に、積極的に温かい物を飲むよう勧めると、冷たい物が大好きというため、そうすると患部を温めて免疫機能を高めようとしている体は、もっと炎症しようと頑張ってしまうことを説明した。
あと、さっきのお客様もそうだったのだけれど、患部を何度も触ろうとして困った。
患部を触ると手に付いてる雑菌で汚染されてしまうかもしれないし、刺激を受けた皮膚は防御しなければならないと認識して皮膚を硬質化して余計に治りにくくなる。
よく、額にニキビができると隠そうとして前髪を垂らしている人がいるけれど、前髪の刺激から守ろうとして患部が固くなってしまうから、ワセリンなどを塗って刺激を受けないよう保護するか、家にいる間は前髪を上げておいたほうが良い。
お客様が高校生の娘さんから、ニキビ用の『ペアアクネクリームW』を頼まれたとのことだが、口の周りに吹き出物ができていて、誰かから勧められたそうなのだけれど、その人が医療関係者なのかは分からないという。
本人ではないから、症状がどこまで確実な話なのかは分からないものの、患部は赤味だけではなく痛みも強いようだというため、ニキビではない可能性を説明し、『クロマイP軟膏AS』を紹介したうえで『ペアアクネクリームW』をお買い上げいただいた。
『ペアアクネクリームW』は本来は大人のニキビ向けで炎症を抑える力が弱く、仮に本当にニキビだとしても成長期の場合には適応しない可能性が高い。
患部に痛みを感じるようだと、なおさら力不足の感は否めない。
お客様は「マスクが原因かも」というので、クリーム剤ではなく軟膏のほうがベタつくことで患部を保護してくれることをお話して、『ペアアクネクリームW』の上から『ワセリン』を重ね塗りするよう勧めた。
それから、皮膚疾患の薬を頼まれた場合は患部の写真を撮っておくことと、代理で薬を買う場合には店頭から連絡が取れるようにと勧めたところ、「本人に伝えておきます」と言っていただけたけれど……。