「知らない」というコトを認識するのが大変だと思うので、「答え合わせ」のつもりで相談して下さい

 お客様が『新セデス錠』を購入されるさいに鎮静成分が入っているので気をつけるよう伝えたところ、アミノフェン製剤だから選んだとのことだった。
 新型コロナウイルスの発熱にアセトアミノフェン製剤が良いみたいな話がネットで流布し、それをマスコミが垂れ流すもんだから、こういう人が現れて困る。
 15歳以下の子供はもちろん、本当にアセトアミノフェン製剤しか使えない人に迷惑がかかるから、誤情報に踊らされないでもらいたいところ。
 お客様の主訴は偏頭痛で、効きが弱いか尋ねられたから、痛みには効いても炎症には弱いとお話すると驚かれ、そのためにエテンザミドが入ってることを説明すると、さらに驚かれた。
 知らないのであれば、特定の成分や銘柄を自己判断で選ぶのではなく、ちゃんと相談してくれれば良いのに( ´Д`)=3
 偏頭痛は、何らかの原因によりいったん狭くなった血管が急に拡張し、血液が一気に流れて血管の内壁をこすり炎症するからなので、やはり炎症にも対応できる薬が望ましい。
 そして血管の収縮は、胃の不具合と関係することをお話しすると、胃カメラを飲んで胃が働きすぎと診断されたというため、偏頭痛が起きたり予感がしたときには、食事を胃に優しい物に変えるよう勧めた。
 また、同じ頭痛でも締め付けられるタイプなら肩こりとの連動が考えられ上半身を温める『葛根湯』が適応し、朝方に頭が重くて午後になるにつれて楽になる高血圧タイプもあり、その場合には『釣藤散』『七物降下湯』も候補になることをお話したところ、「こんなに説明してもらえたのは初めて」と言ってもらえた。

 お客様が『チクナイン』(辛夷清肺湯)を購入されるさいにヒアリングすると、以前も使っていて鼻汁が喉に落ちてくるとのことだったから適応するとして、胃が悪くなっていると鼻汁を押し止められなくなることを説明したところ、それはご存知無いようだった。
 おそらく、鼻づまりという効能だけを見て偶然選んだのであろう。
 鼻の症状で食事を変えようと思う人は少ないので、消化に良い食事に切り替えるよう勧めたら喜んでいただけたようだった

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 子供を連れたお客様が点鼻薬の『ナザールスプレー』を2本購入されるので、長期連用に気をつけるよう伝えたところ知ってはいるようだったが、主訴は鼻づまりだというのでステロイド剤を提案すると、そのことは知らないようだったため、鼻水と鼻づまりで起きていることの違いを説明した。
 鼻水は内臓が冷えると起きる減少で、『ナザールスプレー』などの点鼻薬は鼻水の出る穴をキュッと締めてくれるため効果は覿面なものの、鼻腔内の細い血管も締めてしまい患部に血行不良を招き、連用していると今度は鼻炎の原因となるから気をつけなければならない。
 一方、鼻づまりは鼻の奥の血管が炎症して膨らんでいる状態で、『ナザールスプレー』などでは力不足であり、炎症を抑えるのには『パブロン点鼻JL』のようなステロイド剤のほうが向いている。
 本日はそのまま購入され、入浴しているそうなので、それは良い事と伝えた。
 入浴したり温かい物を積極的に飲み、下半身に厚着をするというように体内を温めれば、内臓の冷えが原因の鼻水への養生になるのはもちろん、鼻づまりは上半身に上昇した熱が籠もっている状態なのに対して、血流で熱を循環させてやるのが効果的だからである。

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 若いお客様が『サンテFXネオ』と『ロートデジアイ』を一緒に購入され、別々の人が使うのか確認したところ、そうだとのことだった。
 ただ、前者は充血に使っているようだったので長期連用は避けるようお話したところ、「本人に伝えておきます」と言っていただけた。
 理由は先述の『ナザール』と同じで、血管を収縮させて血液が通りにくくすることにより充血を目立たなくさせているだけだから、連用しているとかえって炎症しやすくなるのと、血管が固くなってしまうため。
 お客様が急いでる様子だったので、そこまでの説明と、目薬の効果的な点し方を伝えられなかった。

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