お客様から非接触型の体温計を求められ、取り扱っていないことと高額なことをお話したところ、大人しく脇の下で測れない幼児を測りたいというため、起こさずに寝ている間に測ったことがあるか尋ねると、「考えたことなかった」とのことだった。
そして、実際に熱が出た時には表示された体温を写真に撮っておくことを勧め、同じ日の変化も大事とお話したら、1日に1回しか測っていなかったと驚かれた。
体温の変化を記録することで、病院に連れて行った場合に医師の診察の参考になることを伝えた。
やや高齢のお客様が『イソジンうがい薬』をレジに持ってきたけれど、体を守る菌も殺してしまうことや普段は水道水で充分なことを説明し、現に喉が痛んだり口内炎に使うものとして抗炎症成分の『パブロンうがい薬AZ』を紹介したところ、それは家にあるとのことだった。
イソジンの方を口内炎に使っていたそうで、本日はキャンセルになった。
そして、うがいをしてスッキリ感が欲しい場合にと『コルゲンコーワうがい薬』を紹介した。
『イソジンうがい薬』の主成分であるポビドンヨードは殺菌力が強く刺激性もあるため、健康な細胞を傷めてしまうし、常用するとホルモンのバランスを司る甲状腺に異常をきたす副作用が懸念される。
それに較べれば、『新コルゲンコーワうがい薬』の主成分のセチルピリジニウムのほうが穏やかで、身体への負担が少ない。
お客様が消毒用エタノールを見較べていて、案内を申し出たけれど断られ、これからの季節には手荒れの少ないベンザルコニウムがお勧めですと伝えて立ち去ろうとしたところ、お話を聞いていただけた。
アルコールの一種であるエタノールは蒸発しやすく、そのさいに皮膚の水分も奪って使い過ぎると手荒れの原因となる。
新型コロナウイルスのような油脂で包まれたエンベロープウイルスは、その油脂さえ壊してしまえば無力化できるから、エタノールにこだわる必要は無いんである。
また、パッケージに「消毒」か「殺菌」の表記がある物を選ぶほうが、小さい文字の成分表示を見較べるよりも大事なことをお話した。
この2つの表記は、厚生労働省の認可を受けないと絶対に書けず、効果があることがひと目で分かる。
よく見かける「除菌」は、いわば業界用語で明確な基準が存在しないため、なんの薬剤の付いていないティッシュなどで拭いて菌やウイルスを横に移動するだけでも、「除菌」と解釈することさえできてしまうのだ。