やや高齢のお客様から栄養ドリンクを求められたけれど、頭痛がして吐いたというため、胃腸障害に対応した『ヒストミンゴールド液プラス』を勧め、お使いいただくことになった。
そして、明日の仕事が休めないというので、今後の薬の選択として『柴胡桂枝湯』を紹介した。
ただ、新型コロナウイルス禍のご時世である、休んでいただきたいところ。
今日は帰ってすぐ休むそうなので、『ヒストミンゴールド液プラス』はノンカフェインだから丁度良いことを伝えた。
食事はインスタント味噌汁やスープなど具の少ない物をと勧めると、パンはどうかと訊かれたのでスープに浸して形を崩すようお話したものの、それについては不満そうにされてしまった。
お客様から『ロキソニン』がどんな鎮痛剤か質問を受け、いつもは『バファリンプレミアム』を使ってるというので、その主成分のイブプロフェンと化学構造式が似ている親戚みたいなものということと、どちらも痛みの伝達物質の生成を抑えるとともに中枢神経に働きかけて信号を受信するのも阻害し、ロキソニンは効くのが早い代わりに体から抜けるのも早くて一時的な痛みの頭痛に向いており、生理痛のような持続する痛みにはイブプロフェンのほうが使いやすいと考えられることを説明した。
また、『バファリンプレミアム』にはアセトアミノフェンという別な痛み止めも合わせてあり、そちらは中枢神経のみで末梢神経には働かないので痛みには効いても炎症には弱いものの、2種類の鎮痛剤を組み合わせることによって効く範囲が広いと考えられる一方、気持ちを落ち着ける鎮静成分が加わっているため連用すると依存性が心配なので、同じく鎮痛剤の組み合わせでも鎮静成分の入っていない『バファリンルナi』のほうが安全性が高いことをお話した。
そして同じバファリンシリーズの『バファリンA』とは縁もゆかりもなく、そちらの主成分はアスピリンで、イブプロフェンやアセトアミノフェンが中枢神経に働きかけるのと違い、末梢神経に効果があり虫歯や肩こりといった痛む場所に適応することを説明した。
他に風邪薬のお話になり『パブロンSゴールドW』がリニューアルしてから頭がボーッとするとのことで、直接の原因は分からないけれど抗ヒスタミン成分や麻薬系の咳止め成分の副作用は考えられる。
ただ、成分違いとはいえ同じ副作用が考えられる『パブロンSα』では大丈夫だったというから、やはり確定的なことは分からない。
いずれにせよ、『バファリンプレミアム』には鎮静剤が入っていて、3日連続で使ったら使いすぎと考えられ、身体が依存してしまうと飲んでいないときにイライラするというような副作用が現れかねないので、『バファリンルナi』への乗り換えを勧めた。
お客様は、最近は新型コロナウイルス対策のせいか風邪をひかなくなったというので、総合風邪薬を家に備えておくよりも、構成している解熱鎮痛剤と鼻炎薬と咳止めをバラバラに揃えて、起きた症状にピンポイントで使う方法を教えた。
全部入りの総合風邪薬だと、起きていない症状への成分を処理するのに身体が余計なエネルギーを消費し、かえって病状を悪化させてしまう。
お客様が、高齢の父親から膝の痛みに『コンドロイチンZS』を頼まれたというのだが、病院で何か診断されたということはなく、以前に知人から勧められたサプリメントを飲んでいて、他のドラッグストアでそれより『コンドロイチンZS』の方が良いのではというお話があったという。
なるほど確かに、私でもサプリメントよりは医薬品の方を勧めると思う。
サプリメントが薬より効果が弱いということではなく、成分の溶け方や身体への吸収効率がサプリメントの場合には「分からない」ことが消費者庁から指摘されているからである。
とはいえ『コンドロイチンZS』は高額商品なので、専門家の話を聞くために先に病院を受診した方が良いことと、使うとなれば血管の無い関節部においては滑液を介して成分を行き渡らせるために曲げ伸ばしの運動が必要なので、リハビリのプログラムがある病院の方が好ましい。
また、長期連用が効果的であるものの、試供版で体調に問題が起きないことを確認するようお話して、本日は小容量をお買い上げいただいた。
他の薬でも小容量版を、効くかどうかのお試しと思っている人は多いが、そんな短期間で効果が分かる訳も無く、確かめるのは副作用が現れないかどうかの方である。
それから、お客様には湿度や気温の変化、階段の上り下りなど、痛みが強くなるとき軽くなるときの条件を調べてみるよう勧めた。
冷えが関係しているようなら『桂枝加朮附湯』が、痺れ感を伴う痛みなら『疎経活血湯』というように、漢方薬を組み合わせる方法も考えられる。
お客様は父親と一緒には住んでいないそうなので、医者のかかり方についてお話をした。
医師にもよるが、患者から「よく効く薬を」と言われたら「痛み止めを出しておきますね」になっちゃうことは、理解されていた。
店頭で対応する私たちもそうだが、医師だってプライベートな質問はしにくいから、患者の側からの生活スタイルなどの情報提供が大事なんである。
また、同じ人間なので「すべてお任せします」という患者さんより、熱心な人にこそ色々と提案したり教えたくなる。