お客様が『小児用バファリンチュアブル』を購入されるさいに用途を尋ねたところ、11歳の子供が歯列矯正を行ない、歯科医からは市販の痛み止めを勧められたとのことだった。
歯列矯正は先の長いことでもあるため、抜歯後の疼痛などに用いる漢方薬の『立効散』を紹介し、病院で処方してもらえないか相談してみるよう勧めた。
市販されていないから知名度はメチャクチャ低いけど、歯列矯正となると体調によって痛みが強まる日なんかがあって、現代薬の痛み止めを継続的に使うのが不安な場合に重宝する。
高齢のお客様から『ノーシンピュア』も『イブA』と同じか尋ねられ、成分の配合量を含め同じ処方であることを説明したところ、前者を購入された。
ただ、それはすなわちどちらにも痛み止めだけでなく、気持ちを落ち着ける鎮静成分が入っているということでもあり、その副作用はよく言われている「眠くなりやすい」というよりも、「脳の認知機能が落ちる」なので、いままで眠くなったことが無いとしても、車の運転をすると信号の見落としなどは起こり得るから注意が必要。
また、その鎮静成分は依存性があるため、使い過ぎると今度は「飲んでないとイライラする」といった症状を併発しやすく、しかもその原因がよもや痛み止めのせいだと気づきにくいから、頻繁に使うようであれば鎮静成分の入っていない無印の『イブ』や『バファリンルナi』などへの乗り換えを検討するようお話した。
すると主訴は頭痛だというため、頭痛にも種類があり、それぞれ対処法が異なることを伝えたところ、「偏頭痛」「緊張性頭痛」「群発頭痛」の3種類全てが出ているとのことだった。
このうち、偏頭痛と群発頭痛は胃の不具合と関連するため、予兆がしたり発症したら食事を消化の良い物に変更するのが養生法となることをお話した。
最近では、「気圧頭痛」という呼び方もあるようで、要はストレスの影響を受けやすい胃が悪くなり、胃腸の働きに関係するセロトニンが血管を収縮させ、その後に急激に拡張した血管内を血液が一気に流れて血管の壁が擦れ炎症を引き起こす。
漢方薬では、水分代謝を改善すると症状を軽減できると考え、『五苓散』や『呉茱萸湯』が候補になるから、鎮痛剤の使用を減らしたい場合に使用を検討すると良いだろう。
一方、緊張型頭痛は肩こりと連動していることが多く、上半師を温め血流を良くするのが解決法なので、『葛根湯』を用いると良い。
他に、朝方に頭が重くて午後にかけて楽になるタイプの頭痛は血圧の変化に体がついていけない状態なため、『釣藤散』や『七物降下湯』といった漢方薬を使えば、やはり鎮痛剤を使う機会は減らせるはずである。
お客様が『バファリン』シリーズを見較べていて、アスピリン製剤の『バファリンA』をレジに持ってきたので、念のため同シリーズの他の物とは内容が異なることと、末梢神経の痛みに効果的なことを伝えたところ、歯痛に使うそうなので、まさに適応する症状だった。
末梢神経というのは、神経の先っちょ。
つまり、歯痛や肩こりなど「痛い場所」に効くのがアスピリン製剤の特徴。
同じバファリンの名前が付いていても、『小児用バファリンチュアブル』はアセトアミノフェン製剤で、比較的安全性が高い反面、痛みには効いても炎症への効果が弱い。
また、大人がアセトアミノフェン製剤を使う場合には、お酒との相性がすこぶる悪く肝臓を痛めてしまうため、飲酒の頻度の確認が必要である。
そして、『バファリンルナi』と『バファリンプレミアム』は、ロキソプロフェンの親戚筋であるイブプロフェンとアセトアミノフェンを合わせた、いわば鎮痛剤のハイブリットなため、効く範囲は広いと考えられる。
ただし、『バファリンプレミアム』のほうには先に避けたほうが良いと書いた鎮静成分が入っている点に注意。
お客様に、歯医者に予約を入れているか尋ねると、歯科医院が入居してるビルの工事で今週は取れなかったそうだ。
夜遅くまで開いてる歯科医院が一駅先にあるものの、やはり慣れてるところに行きたいだろう。