お客様から子供用の熱冷ましをと注文され、さらにシロップをとのことだったが、あいにくとシロップ製剤の解熱剤は置いていなかったため、水無しで口の中で崩壊する『小児用バファリンチュアブル』を案内したところ、隣に並んでいた総合風邪薬の『新小児用マイフレンS』について尋ねられた。
総合風邪薬だと咳止めや鼻炎薬も入っていて、身体としては起きていない症状に対応する成分も処理しなければならないため、無駄に体力を消耗したり体内を乾燥させるような副作用だけが発現してしまう可能性を説明した。
患者は4歳で、現在は38度の発熱があるそうだが、初めは元気そうだったというものの現在の様子は不明だという。
発熱しても元気そうならば、解熱剤を使って代謝機能を落とすよりも、そのまま様子を見守ったほうが良いとも考えられ、グッタリしていたりゴロゴロしているようなら体力の低下を抑えるために解熱剤を使うというように、使うべきかどうかの見極めが必要。
どうやら奥さんから薬を頼まれ、奥さんが病院関係者だからとのことで電話をし、様子を見るからとお帰りになった。
ご主人としては奥さんに頼まれた物を買いに来ただけという感覚なのかもしれないけど、子供の状態なのかまで気を回してもらいたいところ。
奥さんが患者で薬を頼まれた場合も、ご主人は奥さんに何も症状を確認してきていないまま薬を買うケースが多い。
お客様が『ロートアルガードこどもクリア』を購入されるさいに、痒みがあるのかを確認したうえで解熱鎮痛剤などと異なり、目薬の子供用というのは低刺激のことなので、痒みや炎症が強い場合には通常の目薬でもマイルドタイプならば使えることを伝えた。
使うのは7歳の子供で、目薬の点し方を教えると驚かれた。
瞬きすると睫毛に持っていかれ、顔を起こしてると鼻へと流れて、目元から溢れた分をティッシュで拭くと吸い取られて目に残らないことをお話した。
そのため、やりたいのは目に閉じ込めて、目薬に目を浸すこと。
簡単な方法は、目薬を点したら静かに目を閉じて少し下を向き、そのまま最低でも1分、できれば5分間が望ましい。
子供だと目を閉じたまま5分間待つというのは難しいかもしれないから、ゆっくり100を数えるよう勧めた。
お客様が目薬の棚で迷ってる様子だったので気にかけていたところ、『ロートCキューブマイルド』を選ばれ購入されたのだが、目薬の点し方を教えたところ驚かれた。
5分間待つのは暇すぎるということであれば、スマホで好きな音楽でも一曲聴きながら静かに待つのを勧めてみた。
お客様からは「そういえば」と、目薬が鼻に抜けていく感覚があったとのお話。
そしてその場で開封し、添付文書もレシートもレジに置いていかれるので、“医薬品副作用被害救済制度”の説明をすると、「知らなかった」とまた驚かれた。
この制度は、市販薬を使って副作用が起きて、入院が必要になった場合の治療費を補助するというもの。
過去には、目薬による副作用で支給されたという事例があるそうだから、やはり入院する事態になったのだろう。
油断は禁物なんである。
そして、支給される条件に「用法・用量を守っていた起きた場合」というのがあり、正しく使っていたことを証明できなければ申請が通らないので、添付文書は証拠に必要なんである。
また、人から貰ったとかではなく自身が買った証拠が必要だから、レシートも取っておいたほうが良い。