お客様への声掛けは商品を売りつけるためではなく、少なくない不適応なケースを防ぐためです

 お客様が点鼻薬の『AGアレルカットクール』をレジに持ってきたさいに鼻炎の状態を尋ねると、鼻水と鼻づまりを行ったり来たりとのことだったが、鼻づまりには別な点鼻薬の選択もあると伝えてみたら、実際には鼻づまりだけとのことだった。
 ヒアリングすると、最初に云われた症状とは違うというケースは少なくないから、やはり油断せずに声がけが必要。
 鼻水ならば鼻水の出る穴をキュッと締めてあげれば止まるのに対して、鼻づまりは鼻の奥の血管が炎症して膨らんでいるため、炎症を抑えるのはステロイド剤が有効である。
 そこで、『パブロン鼻炎アタックJL』を紹介したところ変更になった。
 ただ、ステロイド剤は年間に約3ヶ月までの使用に留めるという制限があるから、その注意点は伝えた。
 ちなみに、鼻水を止めるタイプの点鼻薬は血管も収縮させてしまい、それが炎症を招き鼻づまりを誘発するから、いずれの点鼻薬も長期連用には注意が必要である。
 お客様は『AGアレルカットモイスト』が効かなくて、『AGアレルカットクール』に乗り換えようと思ったそうで、同じ処方であることをお話して、症状に合わなかったのかもと答えた。
 また、お客様は点鼻薬を長期連用していると分かったため、症状の原因が副作用というケースもあることをお話して、使用日をカレンダーにつけたり、お休みの日には薬を使うのも休むよう勧めた。

 やや高齢のお客様から風邪薬を求められたけれど、患者は成人の息子さんで、主訴は鼻水のみ。
 他に症状は無いというため鼻炎薬を提案し、『パブロン鼻炎カプセルSα』と『新コンタック600プラス』を案内すると、『アレジオン』を花粉の時期に使っていたというため、効き方が違うことを説明した。
 『パブロン鼻炎カプセルSα』などは起きた症状を抑える物なのに対して、『アレジオン』や『アレグラFX』などは花粉に反応させないようにするのが目的なため、花粉が飛んでいようがいまいが、毎日連用するのが効果的。
 一方、起きた症状を抑える鼻炎薬の方を毎日連用すると、副作用によって鼻炎になることがある。
 同じ鼻炎薬のカテゴリーでも、処方内容によって目的も運用方法も異なるから、注意が必要だ。
 これは、他のカテゴリーの薬にしても同じこと。
 お客様には、鼻水は風邪やアレルギーとは限らず、内臓が冷えると起きる現象でもあるからため、入浴などで体を温めるだけでも治る可能性をお話して、『パブロン鼻炎カプセルSα』をお買い上げいただいた。
 ビールが好きだそうなので、鼻水の材料になってしまうことを伝え、日本酒の熱燗を勧めると「後の祭り」と言われた。
 ありゃん(^_^;)

 お客様が『PL顆粒』と『新セデス錠』を手にして『葛根湯』を見ていたので気にかけていたところ、前者の二つの現代薬の方が良いか相談された。
 患者は高齢の母親で、主訴は微熱と鼻炎というため、咳が無ければ咳止め成分の入っていない風邪薬だから『PL顆粒』が良い選択であると答えると、『新セデス錠』を一緒に使うつもりだったと分かり、鎮痛剤が成分違いとはいえ体に負担をかける可能性があるので片方だけをとお話した。
 普段、本人は薬を使いたがらないというため、『葛根湯』にしても血圧を上げたり内臓に負担がかかる生薬が入っているため高齢者は避けた方が良いとお話して、身体機能を支える『柴胡桂枝湯』を紹介すると、パッケージに書いてある症状が起きていないと飲まないかもというため、中身を出して添付文書土だけ渡してみてはと提案したところ購入された。
 効能書きとは別に書いてあるパッケージの表示内容は、いわば宣伝文句なのだけれど、そこに書いてある症状が出ていないと使えないと勘違いされるケースは少なくない。
 お客様が『麻黄湯』も気にされたので、高齢者向けの『麻黄附子細辛湯』を紹介したうえで、やはり高齢者には向かないことを伝えた。

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