お客様の今まで困っていたというコトを解決できたのは嬉しいので、いつでも相談をお待ちしています

 子供を連れたお客様から『トラベルミンチュロップ』を購入されるさいに、比較的眠くなりやすいことを伝え、乗り物酔い対策として乗る前に温かい食事をすることと、乗ってからのために冷たい飲み物を用意しておくよう勧めた。
 よく子供自身に酔い止め薬を選ばせている人がいるけど、子供向けの絵柄が描かれているパッケージでも制限年齢が違うことがあるし、成分が違えば効果も変わってくるから、まずは相談してもらいたい。
 たとえば、学校行事や家族旅行なら寝ちゃモッタイナイだろうし、必ず酔ってしまうのならいっそ寝てしまったほうが良いうえ、飛行機や船ならば持続時間の長い物を選ぶということも考えられる。
 そして、酔うのを軽減する方法は幾つかあって、視覚から得られる情報と身体の揺れを同期できないと酔うから、視線を進行方向に向けて外を視るのは基本だろう。
 本やスマホを見てると酔うというのは、これが原因だし。
 私が特にお勧めしているのは、飲食物での工夫。
 腸は体温より低い物を受け付けないので、酔わないように軽食で済ませようとして果物やヨーグルトなど冷たい物を摂ると、温かくなるまで胃に貯めておくことになる。
 しかも胃は構造上、上の方に貯蔵するため、これが吐きやすい原因となる。
 温かいスープなどの方が、素早く胃を通過して腸に送られ胃が軽くなるのだ。
 一方、乗り物に乗ってからは氷で冷やしたくらいの冷たい物を少しずつ飲む。
 冷たい物を飲むと胃の働きが悪くなり、悪くなれば吐こうとする力も弱くなる。
 また、炭酸飲料が苦手ではなく、コカ・コーラが入手できれば、やはり少しずつ飲んでみると乗り物酔いを軽減できる。
 砂糖が脳を楽しい気分にさせて、カフェインの興奮作用がそれを手伝い、炭酸の刺激が吐き気を緩和する。
 そのうえ、コカ・コーラのph値は胃酸に近いとされ、親和性が高い。
 なお、ダイエット・コーラだと砂糖のような効果を得られないから駄目である。
 そういう意味では、砂糖の入った普通の飴を舐めるというのも、脳を楽しい気分で錯覚させ、喉を刺激し吐き気を誤魔化せるので、薬が無いときの手段として覚えておいてもらいたい。
 お客様にはコーラの話がウケて、子供にも興味を持ってもらえた模様( ^ω^ )

 お客様から2歳児の手先の傷にと、除菌シートと絆創膏と求められた。
 絆創膏に年齢制限は特に無いことを説明してアンパンマンの物を案内してから、除菌ではなく「消毒」と書いてあるものの方が信頼性が高いことを説明した。
「消毒」か「殺菌」という表記は、厚生労働省の認可を受けないと絶対に書けず、内容が検査をパスしないか申請する費用を惜しんでいる物が「除菌」という用語を使っている。
「除菌」には明確な定義が無くて、ティッシュで拭いて菌を移動するだけでも除菌と解釈することができてしまうのだ。
 ただし、なんでもかんでも消毒や殺菌をすれば良いというものでもない。
 やりすぎると身体を守る菌まで殺してしまい無防備になるし、実は身体に棲んでいる食中毒を起こすような菌も外敵からの侵入を防いでくれる用心棒だからだ。
 また、消毒や殺菌する成分は刺激物であり皮膚の再生を邪魔してしまうから、近年では水道水を流水の状態で患部を洗えば、消毒薬は不要というのが主流。
 消毒剤より、傷口の可能に備えて抗生物質の塗り薬を用意しておくのが良い。
 お客様には、アルコールよりもベンザルコニウムの方が肌に優しいことを説明し、ベンザルコニウムの『コーワ消毒スプレー』をお買い上げいただいた。
 ただ、お客様が首から下げていた空間除菌が気になったものの、ついぞ言い出せなかった。
 買うときならばいざ知らず、使ってる物については気分を害されるかもしれないので。
 空間除菌は現在のところ、メーカー側は密室での実験による効果しか示しておらず、消費者庁が再三に渡って人が出入りする空間でのデータを提出するように求めても、応じたメーカーは一社も無い。
 ましてや、外で使っても成分が拡散するだけで、なんの意味も無い。
 お金をバラ撒いてるようなもんである。
 どうせバラ撒くなら、現金にしてもらいたいくらだ。

登録販売者から一言 陸の巻「除菌グッズに御用心・空間除菌の罠」

「除菌グッズに御用心・空間除菌の罠」

 親子のお客様が来店し、『センパアQT』を購入されるさいに上記のお話を聞いていて、娘さんがアルコールにアレルギーがあるとのことから同じく『コーワ消毒スプレー』も一緒にお買い上げいただいた。
 今まで困っていたらしく、初めて知ったと感激された。
 お役に立てて嬉しいけれど、困った時には相談して下さいな。
 まだまだ登録販売者の知名度が低いってのもあるだろうけど、とりあえずでも良いから店員に尋ねてみてほしい。
 お客様には、乗り物酔い対策のお話もした。

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