お客様から『ロキソニン』を求められ、薬剤師がいないので置いていないことと、化学構造式の似た同系統のイブプロフェン製剤での代用を提案したところ、奥さんからの頼まれ物で月経前症候群(PMS)による頭痛に対して以前に病院から処方されたとのことだった。
突発的な頭痛に早く効くロキソプロフェンは適当するとも考えられる一方、効くのが早い代わりに身体から抜けるのも早いから、生理痛のように持続的に痛むようであれば効果時間の長いイブプロフェンの方が有利ではないかという考え方もある。
しかし奥さんは子供と一緒に寝ていて連絡を取れないというため、薬剤師さんに他の鎮痛剤の候補も相談しておくよう勧めたうえで、頭痛も生理痛も効果的に面倒を見てくれる『エルペインコーワ』や、イブプロフェンにアセトアミノフェンという鎮痛成分を二つ合わせた『バファリンルナi』を紹介したところ、以前にイブプロフェン単味の『リングルアイビー』を使っていた覚えがあるというため、よりイブプロフェンの濃い『リングルアイビーα200』を勧めて、お買い上げいただいた。
『桂枝茯苓丸』や『当帰芍薬散』の他に、精神不安にも対応する『加味逍遙散』などの漢方薬を、予定日の前から服用して月経前症候群をやり過ごす方法があることを伝えた。
食欲も無いようなので、痛みを伝えるホルモンと胃を保護するホルモンは同じなため、痛みを止めると胃の保護機能も自動的に止まってしまうことを説明し、食事は消化に良いものをと伝えた。
それから、子供を寝かしつけている今回のようなケースはともかく、代理で薬を買いに求める場合には、お店に着いてから本人と連絡がとれるのが望ましいことをお話した。
頼まれた方も、本人でなければ答えられないことばかりで困るだろうし。
『アイスノンソフト』を購入されたお客様が気になったので追いかけて、誰か発熱している状況なのか尋ねたところ、2歳の子供が三日前に発熱し、病院では溶連菌による感染症と診断されていると分かった。
発熱していても元気そうな時もあれば、熱が上がってグッタリを繰り返しており、アセトアミノフェン製剤の『カロナール』が処方されているという。
家にあった『アイスノンソフト』が破損してしまい買い直すことにしたそうで、使えるようになるまで8時間も冷凍しなければならないのを心配されたけれど、元気な時があるのならその時は使わなくても良いので、短時間でも冷やせれば熱が上がった時だけ使うのでも充分とお話した。
また、どうしても間に合わなければビニール袋を2重にして氷水を使う方法も提案した。
子供が風邪をひきやすいのも心配していたが、それは戦う力があるというこというお話もした。
体温を測ったら時間と一緒に記録しているか尋ねるとしているというので、「素晴らしい」と答えたら医者に言われたからとのことだった。
病院に行った場合、診察時の体温だけでなく体温の変化の情報もあると参考になるのだ。
頭寒足熱についてもやっているというので、「これほどしっかり対応されてる方は初めてです」と伝えた。
呼び止めたことをお詫びしたら、お礼を言われた。
やや高齢のお客様が体温計を購入されるさいに、実際に発熱した場合には予測値ではなく実測値を測るよう伝えたところ、家にある体温計だと34度となって故障かと思い買い替えにいらしたそうだが、これで買うのが3本目だという。
実測値については全く知らず、説明書を見ないで使ってるからと開き直っていた。
いや、困ってるのは自分だろうに(^_^;)
しかも、お金まで無駄遣いして。
最初の音が鳴ってから5分以上待って、2度目の音が鳴ったらその時が本当の体温であることをお話すると、耳が遠いからとのことで、もしかすると予測値も見るのが早すぎる可能性が……。
音が聞き取りにくいのであれば、時計を見ながら時間を計って使うよう勧めた。
ちなみに電子体温計の予測値特の性として、平熱時には体温が低めに、発熱時には高めに表示されるので、少なくとも実際に発熱したさいには実測値で測るのが良い。
でないと、熱が下がってきていても予測値だと「体温が下がらない」と気持ちが焦ってしまう。