やや高齢の夫婦のお客様が『デリケアエムズクリーム』を購入されるさいに、念のため軟膏との使い分けについてお話したところ、患者はご主人で患部については教えてもらえなかったけれど、反応からすると大丈夫なようだ。
ベタつく軟膏を避けて、サラサラのクリームが好まれる傾向にあるけど、患部が皮膚同士や服とこすれる場所には軟膏のほうが絆創膏の代わりに保護してくれる利点がある。
一方、クリームの利点はサラサラするだけではなく浸透力があるところ。
皮膚は毒物などが容易に浸透しないようバリア機能が優秀で、薬も入って行きにくく、クリーム剤はそのバリアを破るように調整されている。
そのため、患部が複数箇所ある場合には、保護したいところには軟膏を、症状の激しいところにはクリーム剤をと使い分けるのが効果的。
また、液剤や乳液剤は塗り拡げるのに便利なので、一つの塗り薬で済ませるか、剤形の違う塗り薬で対処するのは検討したほうが良い。
ちなみに、『フェミニーナ軟膏』には局所麻酔薬が入っていて浸透力が弱い分の効き目を補っているから、剤形だけではなく成分の確認も重要である。
お客様に声をかけているのは、お客様がどんな目的や基準で薬を選んだのか確認するため。
なにしろ私は、テレパシー能力は持ち合わせていないので。
やや高齢のお客様から『ザーネ軟膏』をと注文され、医療用のビタミンA剤で市販されていないことを伝えると、シモヤケに使っているそうで、「ビタミンEじゃないの?」と訊かれたため、『チョコラザーネプラス』であればビタミンEは入っているものの尿素も入っていて、シモヤケに使う薬ではないことを説明すると、今度は「尿素が入っちゃうの?」と尋ねられ、「じゃあ、いい」とお帰りになった。
医薬部外品には『ザーネクリーム』があり、そちらもビタミンEが入っているものの、患部の状態を教えてもらえず、あくまでクリームではなく軟膏というお話で、どうして医療用を探しているのか良く分からなかった。
ビタミンAの入った軟膏なら『ヒビケアFT軟膏』とか、クリームの医薬部外品で『ユースキンAクリーム』とかあるし、シモヤケにはヘパリン類似物質の『ピアソンHPクリーム』なども使えるのだけれど。
高校生を連れた親子のお客様が来店し、『キンカン』と『ユースキンポンプ』と『ムヒソフトGX』の他に『オキシドール』を購入されるので、まず『オキシドール』は強い刺激性のある消毒剤のため間違いないかを確認したところ、大丈夫そうではあった。
続いて『キンカン』は痒み止め成分が入っていないことを伝えると驚かれた。
高齢の父親が使うそうで、弱い刺激感により神経が混乱して痛みを誤魔化す薬であることと、その刺激がマッサージ効果を発揮し肩こりに向いていることを説明した。
虫刺されや痒み止めに使う『ムヒSクリーム』と『液体ムヒS』の処方が違うことを例に、風邪薬もゆっくり休める時と休めない時とでは選ぶ薬が変わるので、まず相談をとお話した。
同じブランド名でも剤形が変わると中身が違うというのは市販薬には珍しくなく、『ムヒSクリーム』が痒み止めとしては弱めの成分で構成されているのに対して、『液体ムヒS』にはステロイド剤が入っており炎症を抑える強さが段違い。
いずれもそのまま購入されたが、他の薬を使う用途についてまでは、確認できなかった。
今回は大丈夫だったとしても、薬の組み合わせや症状によっては事故を招く可能性の物もあるから、複数の薬をまとめて買われるのは心配(;´Д`)