やや高齢のお客様が『釣藤散』を購入されるさいにヒアリングすると、高血圧とのことだったが頭重感などの自覚症状は無く、病院も受診したことは無いという。
高血圧症は数値だけで判断するものではないとお話したところ、毎日飲む降圧剤が嫌というため、薬の処方を断っても良いから病院を受診するよう勧めた。
まずは、現状の確認が必要なんである。
同じく高血圧に用いる『七物降下湯』を紹介し、『釣藤散』も保険の適用薬であることを伝えた。
これで病院に行ってもらえると、良いのだけれど。
常連のお客様がサプリメントのカルシウムと亜鉛を購入されたが、以前に心臓を患ったことがあり、血液関係の薬を飲んでいたはずなので確認させていただいたところ、カルシウム拮抗薬の血液凝固阻止薬(凝固第 X 因子阻害薬)だった。
これは判断しづらいので担当医に相談するよう勧めたのだが、どうしても買っておきたいというので、必ず報告するようにお願いした。
「あんたのことを先生に話したんだよ。薬局で頼りになる人がいるって」 と、お客様。
すると医者は「薬のことはやはり詳しいですから」と言っていたそうだが、お医者さんに私が薬剤師と勘違いされているのでは……(大汗)
お客様が『イブA』をレジに持ってきたさいに、無印の『イブ』と内容が異なることを伝えると、16歳の娘さんから頼まれた物で、使っていたのが『イブA』か『イブ』かは分からないとのことだった。
病院で処方されたアセトアミノフェン製剤の『カロナール』が効かず、他の店で勧められたそうだが、生理痛に用いると言うので専用薬の『エルペインコーワ』も紹介してみた。
父親が『命の母ホワイト』を買ってきたものの本人は使っていないそうで、『命の母A』との違いを説明した。
肉体的な疲労感や気力の低下には『命の母ホワイト』が適応するのだが、娘さんは生理痛のさいにイライラしやすいというため、精神安定の生薬が多く入っている 『命の母A』の方が向いてるかもしれないことをお話してから、やはり気持ちを落ち着かせる『加味逍遥散』を紹介しつつ、病院を受診するよう勧めた。
お客様からは、他のお店では教えてもらえなかったというため、そちらは入手のしやすさで『イブA』を選んだと思われることを伝えた。
おそらく、お客様の方も詳しい話を相手にしていなくて情報不足だったろうし。
お客貴様には、定期的に同じ病院に通えばデータが積み重ねられて重大な疾患に気付いてもらいやすくなることと、薬を買ったり相談するのには本人も練習が必要とお話した。
なにしろ大人でも、自分の健康相談をするとなると要領を得なくて上手く伝わらない。