1回分や2回分の薬の試供品で確かめるのは、効果があるかどうかではありません

 お客様に『アレジオン』の試供品をお渡しするさいに使用経験を尋ねると、ご主人が使ってるとのことだったけれど、毎日欠かさず飲むことを知ってるかを確認するようお話した。

 お客様から『アレジオン』か『アレグラFX』の試供品をと求められ前者をお渡し、予防薬として使うのが効果的なので1回分では無意味なことを説明した。
 アレルギー性鼻炎に用いる薬には、第1世代の抗ヒスタミンと第2世代とがあり、基本的に第1世代のほうが即効性がある反面、眠気や瞳孔拡散による光を眩しく感じる副作用があるため自動車の運転等を避けなければならず、体内が乾燥して口渇とか便秘を引き起こすこともある。
 そして『アレジオン』や『アレグラ』のような第2代は副作用が出にくいとされているのだけれど、そもそもアレルギー反応を起こさないようにする薬なので、症状のあるときだけではなく一定期間は毎日通して連用する必要があり、また、症状が発現してから使っても効いてくるまでに数日を要することもある。
 お客様には、薬の試供品は「効くかどうか」を試すのではなく、「具合が悪くならないかどうか」を試す物と伝えた。
 あと当然ながら、他に使用している薬や持病がある場合には、試供品の薬を使う前に医師や薬剤師に可否を相談するのを忘れてはいけない。

 やや高齢のお客様が『アレジオン』の小容量を購入されるので使用経験を確認したところ、以前に使っていた『アレグラFX』は朝と夕方の1日2回で飲み忘れるため、就寝前に1日1回の『アレジオン』に乗り換えるとのことで、初めてだから容量の少ない物を選んだというので「良い判断です」と伝えた。
 ただ、花粉は午前中と午後の1日2回飛ぶので、朝に出かけて夕方に生活するスタイルだと『アレグラFX』の方が向いているとも考えられ、夕食にお酒を飲むようなら服用時間を離したいので就寝前に1回の『アレジオン』の方が良いという判断もあり得るから、生活スタイルでの検討は必要である。

created by Rinker
¥991 (2024/12/22 11:49:52時点 楽天市場調べ-詳細)

 お客様が『アレグラFX』の大容量を購入されるさいに、連続使用が効果的なのを知ってるかを確認したところ大丈夫だった。
 花粉症と腸の関係をお話をすると驚かれ、ヨーグルトが予防に効果的なことと、ドカ喰いは症状を激しくすることを伝えた。
 腸には脳と同じ細胞があり、「第2の脳」とも呼ばれ、ウイルスなどの外敵から身体を守る自動防衛機構の要。
 ところが腸の機能が落ちると、言い方が何だが「頭が悪くなる」ようなもので、敵ではない花粉に対しても攻撃を指示してしまい、それが鼻水やクシャミ、目の炎症に涙という形で症状が現れる。
 ヨーグルトが花粉症に効くとされているのは、ヨーグルトが直接的に症状を改善するのではなく、腸の働きが正常になることで敵味方の識別も正しく行えるようになるから。
 それと同じで、入浴してお腹周りの血行を良くしたり、服装は上半身を薄着しても下半身は厚着をしたり、温かい物を積極的に飲むというように、腸の助けになることを重ねていくのが花粉症対策になる。
 ドカ喰いが良くないのも、腸が消化に忙しくなれば敵味方の識別が疎かになるからだ。
 花粉症の時期には、意識して消化に良い食事を心がけよう。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート