若いお客様が胸ポケットから目薬の瓶を取り出して目薬の棚を見ていたので声をかけてみたところ、初めて花粉症になって、コンタクトをしたまま使いたいため他の店で購入してみたのが、先ほど取り出していた『スマイルコンタクトクール』だと分かった。
効き目がイマイチだから、他の目薬を探しにいらしたそうだが、そもそも痒み止めも抗炎症成分も入っていないのだから当たり前ではある。
ただ、花粉症の症状を抑える抗ヒスタミン成分で構成されている『ロートアルガードコンタクトa』にしても、抗炎症成分が抜いてあるため、効果は限定的。
抗炎症成分がソフトコンタクトのレンズに悪影響があることを説明し、点眼してから15分ほど離せば『ロートアルガード』などコンタクト用でなくても使えるとお話をした。
そして『ロートアルガードコンタクトa』を外で使い、家ではコンタクを外して『ロートアルガード』を使うことになり、両方をお買い上げいただいた。
すでに買ってしまっていた疲れ目用の『スマイルコンタクトクール』については、クールタイプを選んだのは痒みを誤魔化すことができるので無駄ではないとフォローしておいた。
人間の神経は、痛みより先に冷たさを感知するようになっている。
怪我をすることよりも、身体が冷えるほうが命に関わるからそういう仕組だとされており、痒みとは弱い痛みのことなので、先に冷たさを感知すると痒みが弱まるのだ。
まぁ、自分で選ぶ前にその店の登録販売者か薬剤師に相談しておけば、良かったのに……とは思うけど。
フォローついでに、花粉症と腸の関係と養生法を教えた。
花粉症は、身体を守る免疫機能の暴走。
菌やウイルスなどの外敵と間違えて、排除しようと涙や鼻水を出したり、患部を炎症させることで免疫機能を活性化させて血流を良くするのが苦しい訳である。
この暴走を止めるためには、脳と同じ細胞を持っている腸が司令塔になっているため、腸の環境を整えて機能を正常化させることが必要。
いちばん簡単なのは、お風呂に入ったり下半身に厚着をして、お腹周りを温めること。
他に、積極的に温かい物を飲むのも有効で、腸が消化に忙しくならないよう食事を消化に良いメニューに切り替えるのも養生法となる。
乳酸菌が花粉症の予防になるとされているのも、腸の働きが正常になれば、敵味方の識別も正しくなるからで、ヨーグルトや漬物などの発酵食品を摂るのも良い。
子供を連れたお客様から、目の痒みにコンタクトをしたまま使える目薬の相談を受け、『ロートアルガードコンタクトa』を案内したが、レンズに悪影響のある抗炎症成分が抜いてあるだけ効果が弱いことを説明した。
すると、今までレンズを外して『ロートアルガードクールEX』 を使っていたというため、点眼してから15分ほど経てばコンタクトを装着しても良い事をお話したところ、『ロートアルガードコンタクトa』を日中に使うとのことで購入された。
腸のことと養生法についてお話したところ、ヨーグルトを食べているというので、あまり銘柄は乗り換えない方が良いと伝えた。
乳酸菌が体に良いとしても、身体からすると外から来たモノは最初は敵と認識するため仲良くなる期間が必要なのだ。
お客様は、2年前にも来店したそうで、私から「薬は相談してから選ぶのが良い」と言われたので今回もいらしてくださったとのことだった。
ありゃん、人の顔を覚えるのが苦手なもので(^_^;)
お客様は鼻水もあるというため、『小青竜湯』は目鼻の痒みにも効果が期待できるとお話すると、一緒に購入となった。
ダイエットにと『防風通聖散』について訊かれ、便秘はしていないというため勧められないとお答えした。
子供を連れたお客様から『小児用アレグラ』を求めら、取り扱っていないことを伝え、予防薬として毎日服用するのが効果的なことをお話すると驚かれた。
アレルギーの原因物質に身体を反応させないのが主成分であるフェキソフェナジンの働きだから、花粉が飛んでいなかろうが、今日は症状が出ていなかろうが、一定の期間を飲み続けなければならない。
エピナスチンの『アレジオン』も、同じように運用する。
住んでる地域によっては、中学生までの医療費は無料というところもあるから、費用の面からすると病院を受診したほうが良いだろう。
お客様がお帰りになるときになって、本人がヒョッコリ出てきた。
一緒に来ているのであれば、本人にお話したかったところだ。
腸の話や養生法も伝えたいところだったけれど、急いでるようだったのでやめた。