若いお客様から『アルガード洗眼』を手に効果を尋ねられたけれど、使う前に顔を洗う手間を考えると目薬の方が楽とお話したところ、エピナスチンの点眼薬を病院から処方されていると分かり、なおさら不要なとこを伝えた。
そして、同じエピナスチンの内服薬である『アレジオン』と同じく、アレルギー反応を起こさせないようにする薬であることを説明し花粉症と腸との関係もお話して、本日はお帰りになった。
花粉症だからといって食事を変えようと思う人は少ないかもしれないけれど、腸に負担の掛からない消化に良い食事に切り替えるのが養生法となる。
また、お風呂にしっかり入り、入れなければ太い血管の通っている背中側にシャワーを浴びたり、下半身に厚着をしてお腹周りを保温するのも同様。
目的は、腸が働きやすい環境を整えること。
何故なら花粉症は、ウイルスなどの外敵を排除しようとして涙やクシャミを出す判断を腸がやっていて、花粉を敵と誤認してしまい起きるから。
脳がやっていては対応が後手になるので、脳と同じ細胞を持つ腸が自動防御しているのだ。
しかし、消化に腸が忙しくなったり、冷えて活動しにくくなると防御機能も低下し、誤認しやすくなる。
ヨーグルトなどで乳酸菌を摂るのが花粉症に効くとされているのも、乳酸菌が花粉症を抑えるのではなく、腸の環境が整うと敵味方の識別が正常になるという次第。
この後も洗眼薬を購入されるお客様に、使う前に洗顔をしておくようお話したら驚かれるんで、こちらが驚く。
パッケージにも、目の周りを洗ってから使うように書いてあるんですけどね。
外から帰ってきて、そのまま洗眼薬を使ってしまっては、肌に付着したホコリを巻き込んだまま目を薬液の中で開くことになってしまう。
病院で、涙腺や唾液腺といった分泌物を出す全身の分泌腺が慢性的に炎症を起こしてしまう『シェーグレン症候群』の疑いと診断されたお客様が、使っていたという目薬の『ロートジーb』を差し出してきて、添加物と防腐剤の入っていない目薬をと求められた。
しかし、緑内障の疑いもあると診断されてるというため、怖いのは添加物よりも『ロートジーb』である主成分の塩酸テトラヒドロゾリンであることを説明した。
この成分は「充血を取り除く」とされているが、その仕組は血管を収縮させて血液が流れないようにしているだけ。
繰り返し使っていると、ただでさえ細い目の血管の血流が悪くなって栄養が行き届かなくなるし、血管が固くなってしまう可能性もある。
だから、『ロートジーb』のパッケージの使用上の注意にも「相談すること」に「次の診断を受けた人…緑内障」という記載がある。
また、目薬の防腐剤として使われるベンザルコニウム塩化物も心配されることがあるが、患者自身が誰もがしっかり管理して保管できるのかという問題もある。
単純に、添加物や防腐剤が悪いとは限らないし、それを気にするのであれば他の成分についても調べなければ無意味であろう。
お客様は他に、ベンゾジアゼピン系安定剤が処方されていると分かり、そちらの医師には緑内障の疑いと診断されていることを伝えてあるものの、確定するのが怖くて、最近は眼科に行っていないという。
緑内障に、開方隅角(かいほうぐうかく)と閉塞隅角(へいそくぐうかく)の違いがあることはご存知のようだった。
緑内障に多いのは、ゆるやかに病状が進行する開方隅角で、薬の注意事項として記載されているのは閉塞隅角の方を指す。
ただ、患者さんが勘違いする可能性を考慮してのことなのか、どちらもまとめて「緑内障」となっている。
お客様には、病状が分からないままの方が怖いことをお話して眼科の受診を改めて勧め、人工涙液の『ソフトサンティア』を案内すると購入された。