危険性が低い薬でも、安易に気軽に使う気持ちが危険性を高めます

 やや高齢のお客様から『浅田飴』を求められて売り場を案内したけれど、喉の痛みを抑えるだけでなく咳止めの処方になっていることを伝えると、頼まれ物で症状は分からないとのことだった。
 気管支を拡張する麻黄は血圧を上げるし、痰を切りやすくする吐根は胃の刺激して吐き気を促すこともあるため、他に使っている薬や持病がある場合には注意が必要なことを説明したところ、他に喉の痛みの薬は何かあるか尋ねられ『ペラックT』を紹介しつつ、そちらはそちらで血液をサラサラにする薬を飲んでいる場合には気をつけるようにとお話ししたところ、服用してるいとのことだった。
 代理で薬を買いに来られた場合、こういうケースが多くて困る。
 確かに事故自体は少ないかもしれないが、特定の薬が危ないという話ではなく、安易に薬を使ってしまうことと、そのお遣いを気軽に人に頼み、またそれを当然のように請け負ってしまう姿勢そのものが危ない。
 信号や標識の意味を知らず、交通ルールを気にしないで自転車に乗っていて、今まで事故に遭っていないから大丈夫なんてことは無いのだ。
 お客様に、担当医か調剤する薬局で使用の可否を相談するようお勧めたら、既に本人は『浅田飴』を使っているというため医師に報告するようお願いし、お帰りとなった。

 やや高齢のお客様から『オロナインH軟膏』を求められ用途を確認すると、首の後ろの湿疹というお話だったが、押すと痛みがあるそうなので、それではいかにも力不足。
 すると、2種類の抗生剤を重ねた『テラマイシン軟膏a』を使ったというため、それは良い判断ですと伝えたうえで、抗生剤とステロイド剤を合わせた『クロマイP軟膏』を提案した。
 しかし、ステロイド剤は怖いというので、過剰に危険視されるようになったのはマスコミの誤報が元であることを説明し、お買い上げいただいた。
 もう30年以上経ってるのに、未だにステロイド剤を怖がる人がいるんだから、マスコミはゴミよな。
 お客様は入浴してるそうなので、それは良い事と伝えた。
 湿疹があると、汗をかくのを良くないと思ってシャワーで済ませてしまう人がいるけれど、老廃物を回収して患部を治す材料を運ぶのは血流だから身体を温める、特に内臓を温めることは大事なのだ。
 帰り際に、お客様は脳梗塞を患って体が不自由なことを言われたけれど、財布のお金の出し入れも自然で気づかなかった。
 リハビリの成果だろうか。
 お大事に。

 子供を連れたお客様から、イソジンのポンプ式のうがい薬『イソジンクリアうがい薬M』を求められたけれど、同じブランドでも成分はポビドンヨードではなく『コルゲンコーワうがい薬』と同じ、セチルピリジニウムであることを伝えた。
 特定の薬を足で探すのは難しいので、同じ成分の物で探した方が良い事と、殺菌剤は体を守る菌も殺してしまうから、使うとすれば短期集中でとお話した。
 殺菌作用の強さとしては、ポビドンヨードに較べてセチルピリジニウムの方が弱めではある。

以下の記事も読まれています。


 
登録販売者から一言 壱の巻 登録販売者から一言 肆の巻「おくすり手帳と個人情報の使い方」 市販薬購入前チェックシート