市販薬価格は何で決まる? 高いのが良く効く訳ではありません

 やや高齢のお客様から『新ウィズワン』のサンプルを求められて、お渡しすると何の薬か尋ねられたので、便秘薬であることと指定第2類医薬品はリスクが高めなことを説明した。
 何の薬か分からないで、サンプルを配布してるという広告だけ見て、もらいに来たのか(;´∀`)
 すると赤ん坊のシャンプーを尋ねられ、頭皮湿疹に漢方薬局のお高めのシャンプーを使ってるとのことだった。
 他にも『リアップ』なども使ってるなんて訳の分からないことを言い始めたため、病院の受診を勧めた。
 いや、お客様自身を病院へという意味ではなく、その赤ん坊をということで。
 なにやら、誤解を受けそうな書き方。
 お客様自身は高い人参を飲んでいるそうで、うっかり「価格は、効き目ではなく希少だから」と正直に言ってしまった。
 スマソ(´・ω・`)

 若いお客様が『アレジオン』の大容量を目当てに来店され、同じエピナスチン製剤で価格の安い『アレジラスト』を紹介すると購入を決められたが、毎日通して飲むのが効果的なことは知らなかったため詳しく説明した。
 エピナスチン製剤の『アレジオン』やフェキソフェナジン製剤の『アレグラFX』などは、身体がアレルゲンに反応しないようにバリアーを張ってくれるようなものなので、症状が出ていなくても一定の期間は毎日飲まないと効果が減じてしまう。
 そして予防が目的だから、すでに症状が強く出てから飲んでも効果が発現するのに、長くて一週間くらいかかってしまうケースもある。
 その場合は、『パブロン鼻炎カプセルSα』などのような、症状が起きてから使うタイプの薬で軽減してから乗り換えるか、目薬や点鼻薬などを併用するという方法がある。
 お客様からは目薬も希望され、効き目と価格には直接的な関係は無いと説明し、『ロートアルガードクールEX』をお買い上げいただいた。
 漢方薬の価格の高さが原材料の希少性が関係するとすれば、現代薬の価格は実験を含む開発費のせいで高くなっている。
 主成分の濃度が濃いとか、成分の組み合わせを変えていることにより効果が高い可能性はあるが、処方内容がたいして変わらなければ、開発費を回収済みの古い製品を選ぶほうが費用対効果は高い。
 お客様に、目薬を点したら薬液を閉じ込めるのが大事と伝え、少し下を向いて5分間閉じておくと効果的なことを教えると、喜んでいただけた。

 お客様から花粉症に『アレジオン』と『アレグラFX』の比較を尋ねられたさいに、前者のように就寝前1日1回の方が便利かもと言われたので、花粉は1日に午前と午後の2回舞うため、生活スタイルにもよることを説明した。
 私のように遅番で午後に出かけるようなら『アレジオン』が向いているが、朝に出かけて夕方に返ってくるのなら朝夕1日2回の『アレグラFX』の方が適しているとも言える。
 また、お酒を飲む人は時間を離したほうが良いので、夕食が早いか遅いかというのも、選ぶさいの参考になるだろう。
 お客様は『アレグラFX』を使っていたそうで、しかし症状のある日しか飲んでいなかったというため、毎日欠かさず服用するのが効果的とお話したところ、追加分を購入された。
 それに、人間の身体は機械ではないから、薬との相性というものもある。
 効いている薬を、わざわざ変更するのはリスクというもの。
 反対に、効いていなければ他の成分に乗り換えるというのも一つの手で、季節によって効く薬が変わるという人さえいるから、「前に使って効かなかった」からといって完全に選択肢から外してしまう訳にはいかない。
 お客様からは目薬も求められ、正しく使えば安くても大丈夫とお話すると『ロートアルガード』をお買い上げいただいた。
 目薬を点したら瞬きはしない方が良いと知ってはいたけれど、薬の味がしたというため、目を閉じて少し下を向くと喉に流れないことと、下を向いていれば瞬きをしても表面張力で目薬が張り付いたままになることを伝えた。

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