高齢の常連のお客様がいらして、病院から処方された『ロキソニンテープ』を肩甲骨の辺りに張る方法を尋ねられたので、床に置いて自分が寝転ぶ方法を提案した。
現在の貼り薬は、大きく分けると薄くて剥がれにくいテープ剤と、水分が多く涼感のあるパップ剤とがあって、後者ならば昔ながらの湿布と同じく重さを利用して勢いを付けられるんだけどねぇ。
一応、『湿布貼りひとりでペッタンコ』という商品もあって、調べたら近所の他のドラッグストアがネット通販で取り扱っているので、その店舗を訪ねてみるようお話した。
店頭には置いていなくても、取り寄せることが出来るかもしれないし。
お客様からは、ご主人が亡くなって貼ってもらえる人がいないというお話をされた。
若いカップルのお客様が来店し、男性がインドメタシン製剤の『バンテリン』とジクロフェナクナトリウム製剤の『ボルタレン』の液剤を比較していたので気にかけていたところ、彼女の方は他の売り場へ行き、その後も長考してレジに持ってきたのが『バンテリン液α』だった。
痛み止めとしては強い部類だが、浸透力には劣るため、打ち身に向いていることを伝えると、寝違えてしまい、しかし痛みはそれほどでもないというお話だった。
鎮痛効果は成分によって大きく分けると三段階あり、また浸透力も異なることを説明し、弱くても局所麻酔が入っていて価格も安い『トクホンチールOX』を紹介したうえ、鎮痛効果と浸透力が真ん中くらいでバランスの取れたフェルビナク製剤の『フレッシュタイムローションF』をお買い上げいただいた。
また、花粉症に『アレロック』を処方されていると分かったので、今回は問題無いけれど、貼り薬や塗り薬も体内で持病や他の薬と影響することがあるため、市販薬を購入するさいには先に申し出ていただいたほうが良いことをお話し、購入した市販薬の成分表示をお薬手帳に貼って一元管理するよう勧めた。
そこへちょうど彼女が戻ってきたため、お薬手帳は健康な人こそ、その証明に持ち歩いた方が事故等の救命処置のさいの参考にもなることを2人にお話した。
なにしろ、命に関わる持病を抱えている人ですら、お薬手帳を持ち歩くのを忘れてしまう。
お薬手帳があれば、災害などで避難生活になったら特例として医師の診察を受けずとも、使用している薬を受け取ることが出来るので、健康なときからお薬手帳を持ち歩くのを習慣化したほうが将来のためでもある。
常連のお客様がサリチル酸製剤の『GSリフェンダα』を購入され、レシートを置いて帰ろうとしたので、『医薬品副作用被害救済制度』を利用するさいに必要なことを伝えると感心された。
今まで置いて帰れられたことは無いはずだから、お話する機会が無かった。
まぁ、サリチル酸製剤は痛み止めとしては弱い部類で、もっと言ってしまうと、語弊があるかもしれないが鎮痛効果は無いに等しい。
患部にチクチクとした刺激を与え続けて、その刺激により痛みが誤魔化される。
つまり、その刺激で誤魔化せないレベルの痛みだと効果を感じられない。
一方、刺激が血流を良くするから、肩こりなどに向いている。
お客様は、以前に病院から『ロキソニンテープ』を1回の受診で多く処方してもらえないことの不満を漏らされた時に、強い薬を毎日使うのは好ましくないと説明したのだけれど、それで痛みの度合いによって『GSリフェンダα』と使い分けるようになったそうだ。
それは嬉しいことであるものの、医師の診断に割り込むのも好ましくないから、お薬手帳に成分表示を貼って、使ってることを医師に報告するようお願いした。
お客様は、ちょうどテレビで強い薬を連用するのが好ましくないという説明を見てから納得されたようだが、「ここに来ると教えてもらえるから助かる」と言っていただけた。