中学生を連れた親子のお客様から『ゴキブリホイホイ』を尋ねられ、医薬品ではないため『アースレッド』や『バルサン』などの燻煙剤とは売り場が異なることを説明し案内した。
その後に漢方薬の棚を見ていたので『ゴキブリホイホイ』を購入されるさいにヒアリングしてみても特にお話して頂けなかったので、鼻づまりを例にパッケージに書いてある症状だけでは適応する物を選ぶのは難しいことを伝えた。
鼻づまりを効能としている代表的な漢方薬には、『葛根湯加川きゅう辛夷』と『荊芥連翹湯』と『辛夷清肺湯』があるが、それぞれの指す「鼻づまり」は状態が異なる。
例えば「鼻づまりと鼻水を行ったり来たり」している時には『葛根湯加川きゅう辛夷』が適応し、「鼻が詰まる一方で夜も寝苦しい」というのなら『荊芥連翹湯』を用いて、「鼻汁が喉に落ちてきて咳になる」場合には『辛夷清肺湯』の出番となる。
でも、パッケージにはそこまで書いていないから、それぞれの生薬の特性から判断することとなり、分からなければ自身で調べるか、調べるのが面倒であれば私たちに相談してもらえると良い。
すると、高齢の父親が足のだるさに病院から腎を助ける『牛車腎気丸』を処方されたとのことで、どんな薬かと思ってパッケージを見てみたというため、腎の働きが足腰やなど加齢による機能低下と関係することを説明した。
幼児の頃は腎が未発達でオモラシしやすく、立つ力も弱いのが成長とともに機能が高くなり、そして歳を取って腎が弱くなってくると頻尿になり足腰も機能が低下していくのだ。
ちなみに、眼の機能も腎と関係していて、糖尿病を患うと視力が低下するように、老人性のかすみ目にも『牛車腎気丸』を用いる。
お客様から『マイフーロンゴールド錠』を求められ調べてみると、総合風邪薬に桔梗や地竜(ミミズ)なども入っている珍しい処方の製品だった。
成人の息子さんが関節痛と口内炎と頭痛だそうで、しかし咳は無いというため、薬の内容が良すぎるとお話したところ、今は『トラフルBBチャージ』を飲んでいたとのことで、それは口内炎にも疲労にも適応することを伝えた。
新型コロナウイルスが怖いから、常備薬に代わりの風邪薬をと注文されたけれど、家には解熱鎮痛剤の『新セデス錠』があり、病院で処方された咳止めが残ってるというため、その組み合わせでも充分かもとお話したうえで、市販の風邪薬の中では珍しく咳止め成分の入っていない『PL顆粒』を案内したところ、『トラフルBB チャージ』と一緒に購入された。
『マイフーロンゴールド錠』については本人が「良く効いた」と言ってるそうなので、咳止め成分として入っている覚醒剤系と麻薬に系よる錯覚の可能性をお話して、以前に買ったお店かネット通販での入手を勧めた。
咳が無い時には、使うのを控えるようにと念押し。
本人は、このご時世に仕事が休めず、病院にも行けないとのことだった。
そして、病院から出た咳止めは本人ではなく、お客様に処方された薬と分かった。
あっ、それは家族に使わせちゃ駄目です(^_^;)
いや、本人だって目的外の使用は駄目なので、使用の可否については病院か調剤した薬局に相談して下さい。
本人は、お薬手帳も作っていないそうだが、調剤薬局というのは病院で処方された薬を受け取るだけではなく、家にある薬を使えるかの相談にも応じてもらえることをお話した。
お薬手帳を作っておけば、そういう薬局の連絡先も一元管理できる。
他に、本人は夜と朝の2回、43度のお風呂に入っており、立ち仕事でそうしないと疲れが取れないと言ってるそうなので、それも血圧を上昇させて脳を興奮させることによる、元気に動けるという錯覚を招いてしまうから、せめて夜だけでもぬるめのお湯での入浴を勧めた。
お客様が喉の薬のコーナーを見ていて、購入されるのがビタミン剤だったので尋ねたところ、家族に頼まれたうがい薬を探しているとのことだった。
銘柄は覚えてなかったけれど、パッケージの特徴から『新コルゲンコーワうがい薬』と同じ成分である塩化セチルピリジニウムと思われることを伝え、写真を撮って本人に違う銘柄でも良いか確かめてみるよう勧めた。
そして、特定の銘柄を足で探すのは難しいことと、毎日うがいしているのであれば水道水で充分な事を伝えた。
加えて、ポビドンヨードが主成分の『イソジンうがい薬』になると体を守る菌も殺してしまい、かえって無防備になってしまうから避けたほうが良いこともお話した。