「治らないから通院しなくなった」場合でも経過観察は大切です

 お客様から首の後ろが痛み、左腕に痺れ感があって、湿布は不便だから塗り薬をと相談をされた。
 病院には行ったというため処方された薬を尋ねると、スマホアプリのお薬手帳でロキソニン製剤のテープ剤とフェルビナク製剤の液液が出ていることが分かった。
 鎮痛効果はロキソニンのほうが高く、浸透力はフェルビナクのほうが優れている。
 ロキソニンテープはイマイチだったというため、鎮痛効果と浸透力の双方が高いジクロフェナクトリウム製剤を提案し、『フェイタスZα』のローションをお買い上げいただいた。
 お薬手帳アプリを入れてるのは良いこととお話ししたうえで、直近の情報は印刷しておくよう勧めた。
 事故に遭って本人の意識が無いと、スマホにお薬手帳の情報があるとは救助者が気づきにくいし、大規模災害で避難した先に電源があるとは限らないからである。
 話を戻して、お客様はロキソニンテープの使用感について担当医に報告しておらず、治らないから通院しなくなったというため経過観察の積み重ねが大事とお話した。
 処方する薬にしても、医師の頭にはいくつかの候補があるから同じ病院に通ったほうが良いし、大病が隠れている場合にも気づいてもらいやすい。
 もし通院をやめたるのであれば、その後の経過観察は自分でして記録をつけていかなければならないのだけれど、おそらくちゃんとやっている人は少ないだろう。
 腕の痺れ感について『疎経活血湯』を紹介し、保険の適応薬でもあるため医師に相談してみるよう勧めた。
 お会計後に、無呼吸症候群で通院してるというため、科目が違う医師にも困ってる症状は伝えておいた方が良いとお話をした。
 症状が身体的に繋がっていたり、薬の副作用が関係したりしているケースもあり、医師から別な病院を紹介してもらえることもある。

 赤ん坊を連れたお客様から風邪薬を注文されたけれど、患者は奥さんで主訴は発熱と喉の痛みで咳は無いというため、鎮痛剤を提案したところ家に何かあるけど覚えていないとのことだった。
 しかしすでに3日が経っていて、熱は下がってきてるというため『ペラックT』と『龍角散ダイレクト』を紹介し、鎮痛剤とも併用できますと説明した。
 そして、咳止めの成分の入っていない風邪薬として『PL顆粒』を紹介したうえで、『ペラックT』をお買い上げいただいた。
 後から鼻水もあると分かったため、体を冷やしてしまう『龍角散ダイレクト』は避けた。
 いずれにせよ、総合風邪薬には咳止め成分が入っていることが多く、主に覚醒剤系と麻薬系なので、咳の無いときに使うと身体への負担ばかりが大きくなってしまうから、やはり避けてもらいたい。
 お客様には、消化をするのにもエネルギーを使うため、体を休めるのは内臓も含めてとお話して、水分と塩分と糖分を摂れば充分だから食事はインスタントスープや味噌汁などをと勧めると、「食べた方が良いと思っていた」とのことだった。
 子供が発熱した場合にも、元気そうにしているかゴロゴロとだるそうにしているかで対応が変わることを伝えた。

 若いカップルのお客様が来店し、『ロキソニン』の内服薬を尋ねられたので、置いていないことと、近くのお店も薬剤師が既に帰っていることを伝えて用途を確認したところ、女性の方がズキズキする偏頭痛に使っているという。
 気圧も関係するらしく、ズキズキする頭痛は胃の不具合と連動していることが多いので食事に気をつけて、締め付ける感覚の緊張型頭痛には血流を良くする『葛根湯』が使えることをお話した。
 また、気圧頭痛には水分代謝を改善する『五苓散』が適応することも伝えた。
 そして、『ロキソニン』の主成分ロキソプロフェンと化学式構造の似たイブプロフェン製剤での代用を提案し、別系統のアセトアミノフェン製剤と合わせた『バファリンルナi』と『バファリンプレミアム』を比較して紹介した。
 すると何故か『イブクイック頭痛薬』を選ばれたので、眠気を催す鎮静成分に気をつけるよう伝えたうえでお買い上げいただいた。
 まぁ、ズキズキするタイプの片頭痛は安静にするのが症状の軽減に繋がるから、鎮静成分の入った鎮痛剤を使うのも悪くはない。
 心配なのは、あくまで使いすぎることである。

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