指先に絆創膏を巻いているお客様から『キップパイロールHi』を求められ、取り扱っていないことと、3つの殺菌成分を重ねた物で効果が限定的なことを説明したところ、傷口が疼くというため局所麻酔薬の入った『メモA』を紹介した。
そして疼きが我慢できる程度であれば、『ワセリン』は水分を弾いてくれるから、その上から絆創膏を貼る方法を提案すると、家にあるとのことで絆創膏のみ購入された。
傷口に消毒薬を使わないのが最近の考え方であることは、ご存知だった。
しかし、購入する絆創膏を湿潤絆創膏にしようか迷われたため、薬は塗れないことを伝えると、それは知らないようだった。
いわゆるモイストヒーリングのための湿潤絆創膏は、殺菌成分や皮膚の再生を促す成分などの含まれた体液が乾かないようにするのが目的で、余計な薬は使わないのが原則である。
同じ理由で、患部がすでに乾いているか、瘡蓋(かさぶた)ができているようだと、すでに湿潤絆創膏を使うタイミングではない。
外国人らしきお客様から抗生剤の『ドルマイシン軟膏』を求められ、見せられたスマホの写真とはデザインが違うけれど案内すると、12gのを探してるようだった。
うちのお店には6gの物しか置いておらず、他にも黄色ブドウ球菌を殺菌する『ムシロピン』について尋ねられた。
『ムシロピン』は医療用医薬品だから病院で処方してもらわなければならないと説明したところ、『ドルマイシン軟膏』の6gを購入されたのだが、6年ほど前に京都のドラッグストアでムシロピン』を買ったことがあるというので調べてみたら、5年前に市販薬としては出荷停止になっていた。
へー、知らなかった。
眼軟膏薬も昔は一般に流通していたそうだから、医療用医薬品が市販薬にスイッチするだけじゃなくて、安全上の理由かなんかで市販薬から消えて医療用だけが残るケースがあるんだな。
おそらく『ムシロピン』は、耐性ブドウ球菌ができてしまう可能性があるからだろう。
ただ、これも調べたところでは耐性菌が発現したという一貫した報告は現在のところ無いそうな。
安全性を優先したということか。
夫婦のお客様から水絆創膏を求められたけど、手荒れの傷に使うのが目的で、すでに傷口は塞がってるようだったため、『ワセリン』での患部の保護を勧めて、消毒成分が加えてある『オロナインH軟膏』も提案すると、家にあるとのことでお帰りになった。
接着剤みたいな水絆創膏は傷口にしみるから、私は苦手(^_^;)