お酒と薬を一緒に飲んではいけない「正解!」 お酒を飲むから薬を飲む時間を変えた「不正解!」

 やや高齢のお客様が『アレジオン』をレジに持ってきて、「他のも中身は大して変わらないんだろう?」と尋ねられたので、鼻炎薬は処方内容によって大きく異なることと、『アレジオン』や『アレグラFX』などは予防薬として使うのが効果的なことを説明した。
 第1世代の抗ヒスタミン薬が入っている『パブロン鼻炎カプセルSα』とか『新コンタック600プラス』などは、起きた症状を抑えるための鼻炎薬で、水風船に針を刺したら割れて水浸しになったのを掃除するようなモノ。
 一方、第2世代である『アレジオン』や『アレグラFX』などは、症状が起きないようにするのが目的で、水風船の表面にセロテープを貼り、針を刺しても割れないようにするバリアーのようなモノ。
 だから、第1世代は発症したときにだけ使うのに対して、第2世代は症状が起きていようがいまいが、花粉症ならば花粉が飛んでいようがいまいが、毎日欠かさずに服用するのが効果的。
 飲まない日があると、バリアーが無くなって発症してしまう。
 また、しっかりバリアーを張るまでには日数がかかり、人によっては一週間以上を要するため、すでに症状が激しくなってから使っても遅く、その場合は先に第1世代を用いて症状が軽減してから乗り換えるか、目薬や点鼻薬などを併用することとなる。
 お客様に、毎日欠かさずに服用してるか確認したところ、『アレジオン』は用法として「就寝前に1日1回」のところ、朝に飲んでいるというので驚いてヒアリングすると、夕食に飲酒するからとのことだった。
 薬をお酒で飲まない、薬の服用は飲酒のタイミングをずらす、というのは慎重な考え方で良いが、もう一歩「用法・用量」を守るところまで考えてもらいたかった(;^ω^)
 お客様にお待ちいただき、メーカーに電話して確認したところ、ビールなら1本、日本酒は1合として3時間くらい離していれば服用しても大丈夫とのことだったが、朝に飲むのは勧められないとの回答を得た。
 ちなみに、就寝前の1回を飲み忘れた場合には、やはり朝には服用せず、翌日の就寝時に飲むことになっている。
 夕飯と言っても、19時頃という人もいれば22時頃という人もいるだろうし、就寝時間も人それぞれ。
 『アレジオン』と同じ働きをする『アレグラFX』の場合は、「朝・夕、1日2回」だから、どちらを使うか迷ったら自身の生活スタイルも考慮すると良いだろう。
 なお、花粉は午前中と午後の1日に2回飛ぶとされており、朝に出かけて夕方頃に帰宅する人は『アレグラFX』が向いていて、出かけるのが遅く帰りが夜になるようなら『アレジオン』をという考え方もできる。
 お客様は病院へ行き、花粉症と診断されたものの、風邪ではなかったため薬の処方を断ったという。
 えっ……?
 『アレジオン』は『エピナスチン』として、『アレグラFX』は『フェキソフェナジン』として処方してもらえるから、連用するために量が必要なことからすると、病院から出してもらったほうが自己負担の金額少ないのに(^_^;)
 以前は『アレグラ FX』を使っていて、1日2回が面倒なので乗り換えたというため、先のように使い分けを説明した。
 お客様は、薬の話をお店で聞いたのは初めてということから、処方してもらわなくても良いから専門家の話を聞くために病院を再び受診するよう勧めた。
 そして、シャワー派だというので入浴の方が効果的なことをお話したうえで、太い血管の通っている背中側に重点的に浴びる方法を教えた。
 花粉症は、本来は敵ではないのにウイルスや細菌などと間違えて過剰に免疫反応が起き、自分自身を攻撃することで起きる。
 その敵味方の判定をしているのが、脳と同じ細胞を持ち「第二の脳」と呼ばれる腸で、お腹が冷えたり暴飲暴食して消化に忙しくなると正常に機能しなくなり、発症してしまう。
 だから、お腹周りを温める工夫をし、食事も消化に良いものに切り替え、腸が働きやすい環境を整えると症状が軽減する。
 腸内環境を整えるということでは、乳酸菌を積極的に摂るのも有効だから、ヨーグルトや漬物などをメニューに加えると良い。
 お客様からは、「勉強になった」と言っていただけた。

 お客様が冷ケースの『ソルマックサキノミ』を見て、他の『ソルマック』は無いか尋ねられたため、『ソルマックプラス』を案内して、お買い上げいただいた。
 そして『ソルマックサキノミ』は「指定医薬部外品」で、名前に「スーパー」と入っている『ヘパリーゼスーパー』は、スーパーにも置ける「清涼飲料水」であることを説明した。
 お客様は、よほど驚いたのか「衝撃を受けてしまって……」と絶句していた。
 医薬品だと思って買ってる人は、ご注意あれ。

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